我が国、ニッポンでスポーツファンがにわかの域を脱しないわけ
WBC、サッカーW杯、2019ラグビーW杯、どれも人気、経済効果ともに申し分ない結果になったと思います。
やはり、その中心はニワカと呼ばれる人達でした。
非常に歓迎すべきことだと思いますし、間違いなく盛り上がりの原動力であり、大切なことでしょう。
しかし、ほとんどのスポーツで大会の余波を次の大会までに維持したり、盛り上げることが困難な現状があります。その理由は、お祭り好きの国民性やハレの日というように、祭事と日常をはっきりと区別する日本らしさだと思いました。
公然と大声が出せて、普段シャイな我々が、違和感なく見ず知らずの人とハイタッチができる、いわばお祭り好きは、次のお祭りまでは普通の人として生活するという、いかにも普通の事象がこの問題の根幹なんだと思います。
複数人で観戦をしていて、アドレナリンやドーパミンが放出される瞬間、まさに人が感情的になる瞬間が異なるところに、ニワカとスポーツジャンキーの違いがあるような気がします。
スポーツジャンキーも複数の種類が存在すると思います。
まず、スポーツ経験者か否か、またその当該スポーツの経験者か否か。
次に、実際にスポーツをプレイするのが好きな人、観戦するのが好きな人、両方もしくは、プレイはするが観戦はしない人。
スポーツがカルチャーとして根ずく為に、最も大事にしたいのは非経験者であり、観戦又は応援することに熱を持っている人々だと私は思います。
これらの人は、多くは普段は自分の仕事をしている1人称の時間があり、週末に同じように頑張っているアスリートを観て、応援して活力を得る。
(ちなみに、1人称というのは私自身もそうなのですが、幼少期からラグビーをしていると、やはりラグビー界の一部だという自負がなんとなくありラグビーを観戦している時も、何か身内のことのように思えてしまうという点から、このような表現を使いました。)
時には歓喜し、時には落胆し、普段は味わえない感情の中に快感をおぼえ、また次の週を迎える。
このようなサイクルは、スポーツが生活の一部になっていて、そのような人が増えればカルチャーとなるような気がします。
細かいルール、選手のプレー中の心情、プレーヤーだけがわかるあれこれなど、究極どうでもいいと思います。ただ、個人的には、分かった方がエンタメとして圧倒的に楽しめるとは思います。
よく日本代表を応援する根幹はナショナリズムだという人がいますが、正解であって、正解でないような気がします。私でいえば、ずっとラグビーをしてきて、同じ代表戦でもサッカーや野球とは感情が異なります。ラグビーに限ればワールドラグビーのルールで代表選手の国籍条項がほかのスポーツと異なる為、よく周りからは外国人ばかりじゃないかと指摘されますが、おそらくその発言はナショナリズムからくるものだと思います。
オリンピックのような舞台で戦う選手に対しては、私自身もナショナリズム的な感情をおぼえます。
オリンピック競技のほとんどが、4年毎にルールを覚えなおして応援するスタイルだと考えると、ナショナリズムは原動力にはなりえないし、行き過ぎて国粋的な考えも健康ではないと思います。
今後も、私自身、述べてきたようなファン層を周りに多く作っていきたいとWBC、来るバスケ、ラグビーのW杯を思い、改めて心に決めました。
2023/03/24