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パリ五輪・男子ゴルフ日本代表選考がいよいよ終盤へ

 パリ五輪・男子ゴルフ日本代表選考が終盤に差し掛かってきました。
 全米オープン終了時点(6月16日)の世界ランクで日本人選手上位2名に五輪出場権が与えられます。
 4月28日現在、五輪出場が見込まれる世界ランク上位日本人選手並びに現状を見ていきましょう。


1.松山英樹(世界ランク15位)

〇出場はほとんど”内定”、でも出場は本人次第

 押しも押されぬ日本のエース・松山英樹。
 今年の序盤は10年以上守ってきた世界ランク50位圏外になったこともあり、世代交代が起こりそうな雰囲気でした。
 しかし2月のジェネシスインビテーショナルで最終日6打差を大逆転してツアー9勝目を挙げてからは、まだまだ日本の第一人者は俺だと言わんばかりの存在感を見せています。
 シーズン序盤は五輪出場に懐疑的であったものの、このところは五輪出場も考え直しているようです。

 いずれにせよ、五輪出場1枚目の切符は松山で間違いありません。

2.中島啓太(世界ランク75位)

〇残りの試合で結果を出せば、五輪出場がついてくる

 3月のヒーローインディアンオープンでDPワールドツアー初優勝を挙げた中島啓太。
 先日まで行われたISPSHANDA選手権では、今年日本国内唯一の試合出場と表明し、多くのゴルフファンに成長した雄姿を見せてくれました。
 ショット力に関しては、現状の日本人選手5本指に入ってもおかしくない状況です。
 そして今季のメジャー第2戦・全米プロに、インターナショナルフェデレーション上位3選手の資格で出場できることが濃厚となりました。

 これにより中島の次戦は、全米プロ(5月16日から)の予定です。
 メジャー競技は4日間戦い抜けば、いつもより多く世界ランクのポイントが入ります。ここで上位に入ろうものなら世界ランク日本人選手3位以下を大きく突き放すことができるため、より五輪日本代表が近づきそうです。

 日本代表がこのまま行けば松山と中島になりそうですが、まだ松山が五輪出場には及び腰というのもあります。
 そうなると、世界ランク日本人選手3位の選手にも可能性があります。

3.久常涼(世界ランク88位)

〇五輪開催コースの利があるが、現状はPGAツアーカード保持が最優先課題

 昨年9月にフランスオープンに優勝、それ以来日本人選手が7か月の間に本人含め4人の優勝者を誕生させた要因になった久常涼。
 有資格者を除く上位10選手に与えられるPGAツアーカードを手にし、今年から松山と一緒にPGAツアーを戦っています。
 初見のコースが多いながらも対応力の高さで対処してきました。
 ところが出場順位が低いためスタート時刻が早かったり遅かったりなどの”洗礼”を受け、試合を完走できない状況がこのところ続くようになってきました。
 憧れの舞台だったマスターズも、予期しない大風のためテレビで見ていたオーガスタとはかけ離れた中でのプレー。ここでも洗礼を受けました。
 マスターズ後2週間休みを設け、5月からの試合に臨む久常。
 体力には問題ありませんが、実戦から離れていたのがどう影響するかも気になります。
 そして来週の世界ランクが100位以内ならば、全米プロに出場できるということもあり、世界ランクのポイントはここでも十分に稼げます。

 五輪ゴルフ競技会場のル・ゴルフ・ナショナルは昨年ツアー初優勝を挙げた思い出の場所。可能性のある限り諦めません。

4.星野陸也(世界ランク89位)

〇気胸による体調不良で完治まで1か月の休養が必要、早期復帰を願います

 2月のカタールで開催された、コマーシャルバンクカタールマスターズで優勝し、一時は世界ランク日本人選手2番目につけた星野陸也。
 その後もケニア、南アフリカ、そしてシンガポールの試合をこなし帰国、さぁこれから凱旋試合に出場しようという直近になって体調不良となり、星野自身も待ち焦がれたISPSHANDA選手権を欠場しなくてはならない事態となりました。
 今週中国で行われる、ボルボチャイナオープンにもエントリーしてましたがこれもキャンセル。
 久常同様来週の世界ランクが100位以内なら全米プロに出場となりますが、病み上がり後の試合がいきなりメジャーという”試練”が待っています。
 全米プロ出場後は欧州各国を転戦する日程になるので、世界ランクポイントの上積みは少し難しくはなります。
 でも前回の東京五輪は松山と一緒に日本代表で戦った”オリンピアン”。
 連続出場をあきらめてはいないでしょう。
(5月2日、追記)
 自身の公式インスタグラムで、病院から気胸と診断され約1か月間休養に当て、完治してからツアーに復帰すると発表がありました。
 これにより全米プロ出場は絶望的になり、五輪代表候補レースからほぼ脱落する格好にはなりましたが、気胸を早く完治させツアーに復帰し、来年はPGAツアーでその姿を見せてくれることを望みます。

5.金谷拓実(世界ランク104位)

〇今週の中日クラウンズで好成績を残し(優勝)、全米プロ出場を確実にするのが大前提

 ISPSHANDA選手権で好成績を挙げ、一気に自身の世界ランクを上昇させ五輪候補レースに拍車をかけたかった金谷拓実。
 ところが自身の期待に反する結果に終わり、今週の世界ランク100位以内には入れませんでした。
 まずは次戦出場する中日クラウンズを優勝することを”最低条件”とし、来週の世界ランク100位以内を達成し、全米プロ出場を決めることが最低条件でしょう。
 そして全米プロで好成績を収め、一気に世界ランクを上昇させようものならば、逆転で”第2日本代表選手”というのもあり得ます。
 偉大な先輩と一緒に、日本代表で五輪を戦う姿も僅かではありますが可能性はあります。

 こうして見ると、全米プロが日本代表候補にとって最も重要な試合になることは間違いありません。

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