動物病院「霞ヶ関どうぶつクリニック」。クライアントさんの声、ロゴデザインと想いのストーリー。
“地域にやさしい 動物病院をつくりたい”
---
---
◎ デザイン解説のようなストーリー
霞ヶ関どうぶつクリニック。長年、埼玉県霞ヶ関にある動物病院。
上原先生のお父様がずっとやってきた。バトンタッチのタイミング、改装と共に、ロゴや診察券のデザイン一新を考える。
動物病院ロゴには、犬・猫シルエットをモチーフにしたのものが多く、ここをどのように差別化するか悩んでいた。
地域らしさ、自分らしさ、やさしさを与えたい。そんな“想い”が一番だ。
これからも、ずっとこの場所でやっていく。
そんな“想い”を形にするには。
---
「霞」ヶ関。動物「病院」。このキーワード。
“よい兆し”を連想させる「霞紋」と、“病院”をイメージさせる「十字」を重ねたシンボル。
カラフルな反映色には、「ピンク色=人・動物(への想い) / 紫色=活性(地域活性) /水色=清潔 / 黄緑=洗練 / 黄色=親近 / グレー色=普遍」の意味をこめる。
---
上原先生、大桃先生はやさしい。その顔立ち、性格はそのままロゴになる。
ある意味、病院の顔であり、クライアント自身の顔でもあるのだ。
すべてのデザインツールも決まり、病院で撮影を行っていた時のこと。
下校途中の小学生たちに、「今かえり? 気をつけるんだよ〜」と声かけする先生方を見た。
ほんの一瞬のことだったが、地域にやさしく根づくとは、まさにこういうことだなぁ、と感じたのだ。
---
---
◎ デザインから派生したエッセイ
ちょうどこのプロジェクトを進めていた時。私は、1匹のヨークシャーテリアを飼っていた。
年齢は13歳。老犬。オス。名は、キャビン。初めての打合せ。私の自宅で行う。もちろん、キャビンもいる。人なつこいキャビンは、日頃から動物とふれあっている二人に、とても嬉しそうだった。
打合せが終わり、お二人を見送った直後、ウンコをし出した。大きな喜びに、ウンコを忘れていたのだろうか。
それとも、素敵な時間を気づかって、ものすごい我慢をしていいたのだろうか。けなげだ。
---
ロゴや診察券のデザインが決まりかけた頃、キャビンは空へと旅だった。初めて味わう、家族の死。多忙を言い訳に、最後の最後はしっかりと面倒を見てやれなかった。
ちくしょう、ちくしょう、と泣きながら、日々、デザインと向き合っていた。
死はなぜ悲しいか。それは想い出の更新ができないこと。それが、確実となったこと。どんなに後悔しても、リカバーできない。後日、察してくれた上原先生。
いずれくる時。だからこそ、前向きにとらえる。この時期に、動物に関わるプロジェクトをやれたこと。経験と意味。
---
「霞ヶ関どうぶつクリニック」ロゴタイプ、「関」の字の中には、笑った動物の顔がある。
やあ! と語りかける顔を見るたび、大切な家族をより深く想う。感謝する。
そんなきっかけになってくれると、とても嬉しい。
---
---
・ クライアント:
院長・獣医師「上原大地」
獣医師「大桃遼子」
・ デザインと文章:
グラフィックデザイナー「アトオシ(永井弘人)」
---
◎ ロゴデザイン・ブランディング事例:
動物病院「霞ヶ関どうぶつクリニック」
---
◎ 次のクライアントさんの声、ロゴデザインと想いのストーリー:
プリザーブドフラワーブランド「ri Lavande(リラバンド)」
いつも読んでいただき、本当にありがとうございます。いただいたサポートは私のモットーである、「“デザイナーではない人”にデザインを伝える」活動費に使わせていただきます。日々、コツコツと伝えます!!