印刷会社「河内屋」。クライアントさんの声、ロゴデザインと想いのストーリー。
“紙のすべてを追求し 世界に通用する印刷物をつくりたい”
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◎ デザイン解説のようなストーリー
港区新橋、ペーパーラボ・印刷会社「株式会社 河内屋」。
寛永時代からの継承。馬具商から印刷業へ。
特殊印刷・特殊加工を得意とする。社名を、旧名「カワチヤ・プリント」から「河内屋(元の屋号)」に変更。
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今後は、紙に関わるすべてを、より追究していきたい。世界にも通用する印刷物をつくりたい。
その“想い”から、ロゴ、ツールのリデザインを依頼いただいた。
コンセプトは「重ねる」。歴史。期待。重なる想いを拡散し、世界へはばたかせる。それが、ロゴデザインの形になる。
ツールは、研究室を想起させる“ラボ感”を表現。箔押しや小口塗装を施し、”印刷見本”としても機能させた。
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私が“アトオシ”として独立した時。
名に「箔(価値・品位)を押す」意で、箔押し加工ができる印刷会社を探した。そこで河内屋の國澤さんと出会い、“アトオシ”の第一歩を踏み出す、最初の名刺印刷をお願いしたのだ。
気づけば、たがいに協力し合う関係性となり、とても感慨深い。
いつも難易度の高い要望に対し、「そういった表現をしたいのであれば、こういった紙や印刷加工の方がいいですよ!」といった提案が返ってくる。
とても頼もしく、ありがたい。
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國澤さんは話す。
「デジタルにあふれる世の中だからこそ、紙の可能性や、紙が持つ力強さを証明していきたい」。
決して、嘆いているのではない。その表情は、とても楽しそうだ。
グラフィックデザイナーとして、私もその1人。これからも、クライアントとの「想いを重ね」、デザインを通して、しっかりと形にしていきます。
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◎ デザインから派生したエッセイ
「何かをつくり出す」ということは、どういうことだろう。なぜ、「つくり出す行為」は楽しいのだろう。
「デザイナー」になる前、もともとは、「想像して、つくり出す行為」そのものが、本当に好きだった。
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小学生。ドラクエ3〜4とかが流行っていた時期。モンスターとか、マリオステージとか、武器とか。ジャポニカの落書き帳に、先が丸くなった鉛筆で描きまくっていた。
「既にあるものを模写」するよりも、「オリジナルの“何か”を勝手に考えて」、紙に描く。
私はあまり「重なりすぎるパロディ」が好きではない。そこには、つくり手の「ソイツだからこその味」の深みがないからだろう。
「利他」を軸に、せっせと「ものづくり」に励むと、自然と「私らしさ」や「オリジナリティ」がにじみ出る。そんなものだ。
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3日坊主だけど、10年以上もデザインを続けられているのは、「人に向けたもの」だからだろう。
昔、人間関係に恵まれてきてなかった反発か。むしろ、「人」が好きなのだ。
「ものづくり」を通して、「会話」したいんだ。結局はさびしんぼなんだ。人恋しいんだ。かといって、チャラチャラした人づきあいを求めているわけじゃないんだ。
ものづくりに励みすぎて、まっとうに「人」との接点をろくにもてない人。そんな人と、「たまに」酒飲みたい。その一杯のためか。
あれだ。これからも、つくりながら考えよう。そんな自分が、だーい好き!
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・ クライアント:
プリンティングディレクター「國澤良祐」
・ デザインと文章:
グラフィックデザイナー「アトオシ(永井弘人)」
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◎ ロゴデザイン・ブランディング事例:
印刷会社「河内屋」
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◎ 次のクライアントさんの声、ロゴデザインと想いのストーリー:
長野県の写真館「イソガイスタジオ」