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幸福な人は長生きすることができるのか

割引あり

幸福な人は長生きするのでしょうか。いや,長生きするから幸福なのでしょうか。そうだろうなという想像もできますし,本当だろうかという疑問も抱かれます。因果関係もどうなのでしょうね。

けっこう,究極的な疑問ではないでしょうか。


これまでの研究

このような問題について検討するひとつの方法は,縦断的(前向き)なデータを収集することです。そのような研究のなかでは,心理的な幸福感やウェルビーイングは,長寿を含む身体的な健康因子を予測することが示されています。

主観的幸福感のさまざまな指標は,運動能力や身体的機能の向上,心血管疾患の減少,脳卒中の可能性の低下などにつながることが報告されています。メタ分析の結果からも,幸福感は死亡率の低下に関連することが示されています。

ウェルビーイング

ウェルビーイングも,中身はひとつではありません。今回紹介する研究では,生活満足度(人生満足度)と人生の目的(生きがい)に注目しています。

◎生活満足度(人生満足度):人が自分の人生や生活全体に対してどの程度満足しているかについて行う認知的評価
◎人生の目的(生きがい):人生における目標や方向性の感覚をもつことであり,自分の人生が有意義で意義深いものであるという総合的な評価に関連

いずれも,これまでに身体的健康との関連も検討されてきています。今回紹介する論文では,これらと死亡確率との関連を検討します。こちらの論文を見てみましょう(Which Predicts Longevity Better: Satisfaction With Life or Purpose in Life?)。

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