攻撃的な子どもたちは後にどんな成績をとるか
これまで,パーソナリティ特性が学業成績に影響を及ぼすという研究は数多く行われてきています。しかし,攻撃性の高さが,学業成績にどのように関連するのかについては,あまり検討されていないようです。
攻撃的な生徒は,学業成績の低さを予測すると考えられています。それは,攻撃的な行動が学業活動の妨げになるから,ということもあるのですが,攻撃性の背後にある衝動性や感情の激しさなどが,勉強の妨げになるからかもしれません。
パーソナリティを超えて
攻撃性が,ビッグ・ファイブ・パーソナリティの影響を超えて,学業成績を予測するのかどうかを検討した研究があります。それらの研究では,おおよそ,勤勉性や開放性が高い学生は,低い学生に比べて学業成績は高い傾向があります。
その影響を超えて,攻撃性は学業成績に影響するのでしょうか。また,攻撃性は男女で平均値が異なることも知られています。性別を超えて,影響は見られるのでしょうか。
では,アメリカの高校生を対象とした研究を報告する,この論文を見てみましょう(The validity of physical aggression in predicting adolescent academic performance)。
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