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アメリカのタイトな州とルーズな州

割引あり

「タイトな文化とルーズな文化」という,文化の見方があります。以前にも,このトピックについて書かれた本を紹介したことがあります。


タイトネス・ルーズネス

文化的なタイトさやルーズさは,社会的規範の強さと社会的規範からの逸脱がどの程度罰せられる傾向があるかという観点からの,文化間のばらつきのことを指します。

この文化のバラツキは,国家間の違いで考えることもできるのですが,同じ国の中の違いにも適用されます。地域によって,民族的背景が異なるという点もあるのかもしれません。

また,タイトかルーズかという文化的背景は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対処方法など具体的な行動にも関連すると言われています。

暗黙のステレオタイプ

タイトな文化は,強い集団に高い評価を与えがちだと言われます。このような地域では,民族的なステレオタイプが強く見られるかもしれません。しかし,アンケートで答えるステレオタイプでは,回答が大きく歪みそうです。

そこで,潜在連合検査(IAT)と呼ばれる,カードの分類課題のような手法でステレオタイプを測定する方法が開発されています。実際に地域の文化は,そこに住む人びとのステレオタイプと関連するのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(State-level cultural tightness–looseness accounts for implicit associations between American and White identities)。

https://doi.org/10.1016/j.cresp.2021.100033

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