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創造的な人にみられる性格の特徴

割引あり

クリエイティブな人には,何か性格上の特徴は見られるのでしょうか。これまでにも,ビッグ・ファイブ・パーソナリティと創造性との間の関連が検討されてきています。それによると,外向性の高さと開放性の高さ,そして勤勉性の低さという組み合わせが,これまでの研究ではよく報告されるようです。



退屈さ

創造性との関連でまだ検討されていない特徴のひとつに,退屈さ傾向(boredom proneness)があります。日常生活の中で,退屈さを感じやすい傾向のことです。

退屈傾向は,学業の出席率の低さ,講義への不注意傾向,アルコール乱用,うつ病,などなど,どちらかというと問題を生じさせる結果につながることが報告されています。

一方で,退屈さのメリットを報告する研究もあります。退屈さというのは,自分の目標がもう満たされなくなったというとき,個人に警告を発して新しい有意義な活動へと導く警告機能をもつという考え方です。このように考えると,退屈さはものごとへの興味関心を高め,創造的な活動へとつながる可能性を秘めています。

好奇心

ものごとに関心を抱く好奇心は,創造性とも密接な関連を持つことでしょう。自分自身,他者,世界に対する新しい知識を発見したいという好奇心は,新たなものを作り出そうという意欲にもつながります。

しかし,好奇心と創造性との関連は,個人に余裕があって,時間的に切迫していないときに生じやすいのだそうです。確かに,言われてみればそうかもしれません。

では,パーソナリティ特性と退屈さと好奇心,創造性とどのように関連するのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(Personality and boredom proneness in the prediction of creativity and curiosity)。

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