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インドネシアでは出生順が性格に影響するのか

日本でも,たくさんの子どもが生まれていたときに典型的な,昔ながらの名前のつけ方ってありますよね。「一郎」「二郎」「三郎」……というやつです。「太郎」「次郎」……というのも同じですよね。

名前に「何番目」という数字の意味が込められると,出生順がより意識されそうです。


バリ島の名前

インドネシアのバリ島では,多くの人が「社会階層」と「何番目の生まれか」によって名前が決まっているそうです。バリ島旅行.comの『バリ島の人名の不思議』という記事には,平民階級の名前について次のように書かれています。

一番最初に生まれた子:Wayan または Putu または Gede(Gedeは男性だけ)
二番目に生まれた子 :Made または Kadek
三番目に生まれた子 :Nyoman または Komang
四番目に生まれた子 :Ketut
五番目以降は、また最初のWayan(Putu Gede)に戻っていきます。

昔の日本と同じように,名前が出生順に結びついていると,日常生活のなかで常に「何番目の生まれか」ということに意識が向けられそうです。

出生順と性格

しかしながら,欧米の研究では,出生順による性格の違いは「微々たるものか,ほとんど関連がない」という結論になることが多々あります。

もしかしたら,出生順が名前に結びついて日常的に出生順が意識されるような文化のなかで生活している人々の場合には,出生順が性格により結びつきやすい,ということがありえるかもしれません。

「Western」「Educated」「from Industrialized, Rich, and Democratic countries」つまり,西洋社会で,教育を十分に受けており,工業化されて豊かで民主的な国(WEIRDと呼ばれます)ではない国で調査を行うことで,違った結果が見られそうですね。

インドネシアでの調査

というわけで,インドネシアで出生順と性格との関連について行われた調査がありますので,この研究を見てみたいと思います(Analysing effects of birth order on intelligence, educational attainment, big five and risk aversion in an Indonesian sample)。

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