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子育てが始まると満足度が低下する

割引あり

これまでの研究によると,未婚者や同棲をしているカップルよりも,既婚者の方が全体的に幸福感やウェルビーイングが高い傾向が見られます。結婚は全体的な生活の質に対してポジティブな影響をもたらします。


低下する

ところが一方で,満足度や幸福度の研究では,結婚生活の中で時間とともに「U字型」の変化をすることも知られています。たとえば,第1子が生まれる前と後の幸福度を比較していくと,子どもが生まれるところで幸福度が低下し,その後,徐々に回復していくような様子が見られるのです。

もちろんこれは平均的にそのようになるということで,全員が同じ軌跡をたどるわけではありません。


親になること

親になると幸福になるのでは?と直観的には思うのではないでしょうか。しかし問題はおそらく,子どもが生まれることによる環境の大きな変化だと思われます。

それまではふたりで暮らしていたなかに,もうひとり増えることになります。しかも,弱々しく,心配もつきません。しばらく成長したとしても,次々と心配事はやってきます。考えてみれば,非常にストレスフルな人生イベントです。もちろん,素晴らしいことではあるのですが。


メタ分析

妊娠中,第1子の誕生1年後,誕生2年後と,夫婦関係についてどれくらい満足しているかという夫婦関係満足度はどのように変化していくのでしょうか。

これまでの研究結果を統合して分析するメタ分析の手法を用いて,この問題に対して検討した研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Transition to Parenthood and Marital Satisfaction: A Meta-Analysis)。

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