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連載小説・死神皇子と赤ずきんの少女

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厚い雪が積もる街でマッチを売り生計を立てていた少女がいた。しかし市長によって路上販売を咎められた少女。とあるサーカス団に身売りされてしまう。そのサーカス団とは「見世物小屋」なので… もっと読む
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「連載小説」死神皇子と赤ずきんの少女②

市長の取り締まり「君がゲヘナ・リンツだね?」

突然後ろから声がした。
もう随分と長い間呼ばれることのなかった自分の名前。
それを呼ぶ何者かが、背後に立っているのである。
慌てて振り返った。
身体が大きく身なりの良い男がいた。
禿げ上がった頭と、その代わりに立派にこさえたあごヒゲ。
上質なスーツと毛皮のコートを着用していた。
格好だけでも一般人ではないことがわかる。

この方は確か…。
少女は男に

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「連載小説」死神皇子と赤ずきんの少女①

プロローグ雪がしんしんと降っていた。
街の中央を流れる大きな川が上流の冷たい空気を運んで来る。
実際の気温よりもよく冷えた。
道行く人は巻きつけたファーのマフラーを鼻まで引き上げる。
そして外套のチャックを閉める。
誰しも足早に帰路に向かった。

「マッチは、マッチは要りませんか」

少女の声が聞こえる。
雑踏の音で掻き消されてしまう、か細い声だ。

声の主は背丈の小さな女の子だった。
赤い頭巾を

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