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前立腺が肥大していく予感

恋の予感だったらいいが、タイトルの通り、なんか嫌な予感がしたので、新たな仕事を始める前に、今日は恐る々人生はじめての泌尿器科に行って来た。

やはり、これも前のブログには書いたが、いまだ寝汗と夜の頻尿に悩まされていて、前はコーヒーを飲みすぎていたので、とりあえず、いまはそれを紅茶にかえて静観していたのだが、この間の観に行った映画「ドライブ・マイ・カー」で猛烈な尿意を2時間ずっと我慢してしまったという経緯もあり、もしかしたら・・・?ということで、念の為の検査に行ってきたのだ。

人生初めて行く泌尿器科。

ネットで調べて地元で比較的評価の高いところを選んでみたのだが、病院へ着くとそこは想像以上に小さく、泌尿器科ってこんな規模で開院できるのね、なんて、病院自体、非常にミニマムなもので、さらにそこに入ってみると、受付としての窓口がこれまたミニマムで、白い壁に四角い穴をくり抜いただけの受付の中で、従業員さんと思わしき女性が他の患者さんの会計作業をしているところだった。

「はじめてなんですけど」

その受付にいた従業員さんではなく、他のやはり女性の従業員さんが来てくれたので、そうあいさつすると、では「問診票書いてくださいね」ということで、これまた、ここは玄関ではないか、という、これまた非常にミニマムな待合室に座らされ、自分の症状について、それに書いたのだった。

・夜、2〜3回。多い時に3〜4回、トイレに行く。

・残尿感が少しある。

そんなような自分の思いつく症状を書いて渡し、沙汰を待っていたら、今度はそこの看護婦さんらしき女性から、そこのトイレでお小水をとってくださいね、と、促された。

来る前に用を足してしまっていたので、出るかどうか不安だったが、なんとかそれを指定されたコップにひねり出し、看護婦さんに言われた通り自分の名前をマジックで書いて、それを指定された場所に置いてトイレを出た。

その頃には、結構、他の患者さんが増えており、ここはやっぱり玄関だよな〜と思わされる、とってもミニマムな待合室がいっぱいになってしまっていたので、こちらでもいいですよ、ということで、病院奥にある数席置かれた椅子に通され、自分の症状をちゃんと先生に伝えられるよう、それを呪文のように唱えながら、先生の呼び出しを待った。

「ATMANさん!どうぞ、お待たせしました!!」

いや、そんなには待っていないのだが、謙虚な先生なのかな?そんな余計な詮索とともに、人生初めての泌尿器科、どんな先生か少しドキドキしながら、診察室のドアを開けたのだった。

「こんにちは。よろしくお願いします」

先生に気持ちよく診察をして頂けるよう、そう爽やかにあいさつをし、先生の反応を待った。

「どうしました?」

「この半月くらい前から、夜の頻尿がはげしく、残尿感も少しあるんです」

と、さっき覚えたての、一番短い呪文で応え、

「そうですか。では、調べますので、そこに寝て頂けますか?そして、下着をギリギリのところまで下げてください」

想像よりも若く、かつ、元気な応対の男の先生の指示に元気に従い、ぼくは言われるままにベッドに腰を下ろし、どっち向きかわからなかったので、もしかしたら菊のご紋に指を突っ込まれるのか、と思ったので、横向きに寝ようとしたら、仰向けでいいですよ、と、先生。

仰向けで、菊のご紋か・・・?

下着をギリギリのところまでと言っていたが、その姿勢で菊のご紋に作業するのか?ぼくは検査の感じがわからなかったのと、昨日、病院を調べていた時に、やはり、菊のご紋から前立腺を調べる云々なんて記事があったので、じゃあ、仰向けになって前を隠して尻を出すのかと、今度は前を隠しつつ自分の尻を出そうとしたら、先生がそれをやおら静止し、

「いや、仰向けになって、前だけギリギリまで下着を下げてくれればいいですよ」

最初っから、そう言ってくださいよ〜という感じであったが、指示通り、下着を下腹部まで下げ沙汰を待つと、ほどなく、先生は女性が妊娠した時にお腹の赤ちゃんの様子を観る時に使うエコーみたいな機械で、ぼくの下腹部を、やはり、妊婦のお腹をスキャンする時に塗る、あの冷たいローションみたいなものをぼくの膀胱近辺に塗り、患部をソナーしてくれた。

ぼくの下腹部にあてられたその機械は、まさに妊婦のそれと一緒だったようで、その機械のモニターにはぼくの膀胱と前立腺と思われる映像が白黒に映されていた。

先生はそのぼくの前立腺と思われる白黒の辺りの長さを測り、

「これだったら、肥大とまではいってませんね。でも、最近、ずっと座りっぱなしとかではなかったですか?」

ぼくはすぐに答えた。

「ビンゴです。ここんところ、ずっと椅子に座りっぱなしでした」

先生曰く、座りっぱなしでいると、膀胱や尿道が圧迫され、その位置関係により炎症を起こす場合があるようなのだ。

「この状態くらいでしたら薬で元に戻るでしょう。◯◯と◯◯というクスリを30粒処方しますので、それを飲んで症状が止まったら薬をやめてみて下さい。クスリ自体は2年位もちますので、また、その症状が出たらこのクスリを最後まで飲んでみてください。それで大丈夫でしょう」

よかった・・・・

前立腺肥大ではなかった・・・

が、症状自体は、軽度の前立腺炎といってもいい状態とのことであった。

とりあえず、男特有の病気である、前立腺ガンや前立腺肥大症ーこれについては治らないらしいか、そういう恐怖からは免れることができてよかった。


そういえば、先生の質問にぼくは即答させて頂いたように、ここ2ヶ月位の間、職探しも含めて、ずっと椅子に座りっぱなしの生活をしていた。

しかも、こんな状況だから、それに集中するあまり、さらにはこんな状況で外をフラフラすることもできず、買い物以外はずっと家に籠りっきりの生活をしていたのだ。


これじゃ、流行りの中年の引きこもりじゃないか・・・


と、苦笑しつつも、そんな方の気持ちも少しわかりつつ、その現実を再び自分で自覚するとともに、来週からまたはじまる新たな仕事に対する不安を払拭する意味でも、また、今日、これを同じ椅子に座りながら書いている。





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