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僕たちコロナ就活組 第二話 見知らぬウイルス

中国のウイルスが外国で結構やばいっぽいけど、まぁ日本は耐えるっしょ。

 僕が就活に向けて、第一歩を踏み出した2月、同時にコロナウイルスも日本社会へと着実に進出し始めていた。

 当時のコロナの状況はというと、すでに欧州が結構やられていて、日本ではダイヤモンド・プリンセス号が大きな話題となっていた。ただ、分かっていることも少なく、そして世間の危機意識はイマイチ薄く、友人の部活動は合宿なんかを行ってたし、人もそれなりに街にいた。ゆーて耐えるっしょっていうような考え方が多数派だったと思う。そのくせマスクとティッシュはちゃっかり売り切れていてびっくりした。鼻炎持ちの僕は怒りに震えた。情報弱者はティッシュすら手に入らないのが令和なのである。

 就活には、というとそこまで影響は無く、当時ちょろちょろイベントは開かれていた。僕の手帳の記録では3月22日にマスク着用の対面の座談会(それもも結構大手の企業が開催してた)に参加している。一部の企業によっては説明会をウェブでやったり、中止にしたり、といった措置をとっているところもあり、危機意識高いなぁ系だなぁと思った。今考えると、先見の明のある企業である。家で色々説明会を受けれるのは楽だったし、交通費もかからず済むのでいいことばっかだとも思ったし、なんだか時代の分岐点にいるようでワクワクした。

 ただどの企業に関しても共通してたのは、「コロナの影響で採用数は減ってしまうのか?」という最近急上昇中疑問に対しての、「心配しないでください!弊社は変更する予定は有りません!」という希望を持たせる回答だった。やっぱ日本の企業すげー!と思った。今となってはなんとも無責任な、、、という感じである。実際減らしてないとこもあるのだろうが。

 僕はこの2月中旬から下旬にかけ、少しずつ説明会に行ったり、説明会を視聴したり、どうやら就活生がすなる自己分析といふものを僕もしてみむとてするなりww、という状態だった。クズから雑魚就活生へとランクアップしていた。しかし、自己分析というものを心の底から馬鹿にしていた。僕は馬鹿であった。当時「自己分析って真面目にしなくても、自分のことは自分が一番わかってるわww」と思ってなめていたし、加速するコロナの勢いを完全に軽視していた。ついこの間、人の内定報告を垣間見てスマホ片手にブルブル震えていたのに随分余裕になっていた。僕は良くも悪くも感情の波が激しい。そして説明会から次のステップに進んでいくにつれ、この波は激しさを増していくのだった。

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