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鳥に心配される夜

金曜日。今日は一日喉が痛かった。
のどぬーるスプレーと龍角散キャンディで凌いだけど。
帰宅後、本格的に腰の痛みと足の冷えの怠さがきて部屋着に着替えると早々にベッドに潜り込む。
気丈に一週間耐えたけどとうとう子どもから伝染ったか。インフルエンザA型。無念…

明かりもつけず薄暗い部屋で寝ていると

ヒタヒタヒタ…
ヒタヒタペタペタ…
暗闇に小さな足音が響く
バササササ…!(ベッドに飛び乗る音)

オカメインコが廊下を歩いて
寝室にやってきた。無言で。
小さいあんよでそろそろと布団の足元から上がってきて、
寝ている私の顎辺りにちょこんと腰を落ち着ける彼。

オカメインコのくろちゃん
撫でられスキー鳥

ち、近い…!
反射的に彼のお腹に鼻をうずめる。
温かい。すえた藁の様な香ばしい匂い。
(雄の方がインコ臭がきつい)
指で包む様に頬の辺りの毛を撫でるとうっとりと目を細めるくろちゃん。

その後小さい子ども達が寝室にやってきて
騒がしくなったので、誤って潰してしまわない様に(彼はそんなにマヌケではないが)
宵闇の寝室に留まるのは鳥にとって不安だろうと思い、お姉ちゃんにリビングの鳥カゴゾーンへ連れ戻してもらう。

ちょうどその時夫がリモートワークを終えてリビングに降りて来たから小さい子どももそちらへ駆けていく。

再び静寂。

ふー。
タブレットでゲームでもしよう。

しばらくすると

ヒタヒタヒタ…

ヒタヒタペタペタ…

バササササ…!ギュワワ…

え、また来た?
鳥って暗いと動かなくなるんじゃなかった?
どんだけ布団好きやねん
いや、私が好き?
もしや群れからはぐれたヤツを心配されている…?

再び彼は私の顎辺りにぴっとりと静かに身を寄せるのでした。
仕方がないので重い身体を起こしてリビングへ連れていったとさ。

鳥たちには鳥たちの故郷があって
そのルールに従って生きているので、
人間が人工的な環境で飼育するのは人間のエゴとか言われると何も言えないのだが。

ふわふわの香ばしいボディ。
中身が人間かと思うほどの愛情深いふるまい(に見える)、人の足の裏に対する滑稽な仕草と歌(に聞こえる)に家族全員メロメロです。ありがとう鳥たち。健康で長生きしてね。


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