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お酒草子6 冬柑、クラフトスパイスソーダ、法事の酒

※アッシュさまの画像をヘッダーにお借りしました

この御酒(みき)は 我が御酒ならず 
酒(くし)の司 常世に坐す 
石立たす 少御神(すくなみかみ)の 
神寿(ほ)き 寿き狂し 
豊寿き 寿き廻し 奉り来し 
御酒ぞ 残さず飲せ ささ

・現代語訳
このお酒は 私のお酒じゃないのよ。
酒の神で常世の国にいる、スクナヒコナの神が
祝福して、歌って踊って、踊り狂って醸したお酒なのよ。
さぁ、ぐっとイッキに飲みなさい、さあ!

『古事記』仲哀天皇条 息長帯日売命 酒楽の歌 


私の酒(神の酒)を飲みなさい~!乾杯!

あの、禍中では、オンライン飲み会をやってまで飲んでいたなんて、
後世の方には笑い草かもしれませんが、
働いて酒を飲み交わして笑って寝て。そんなことで保っているのが人間というもの。
この単純で凄まじい呪術を、神の力ってことで祝福です。

あの人の帰りが遅いのなら、
ホムツワケとホムダワケの違いを妄想しながら、
静かに孤独と飲むのもまた楽し。
みなさまは今宵、誰と飲みましょう。

※これより先、お酒に関する食レポ以下の、個人的な感想をとめどなく書いています。もし何かの参考になれば幸いです。

※知能指数の太ったスマートなnoterさん方は十分思慮深い方ばかりとは思いますが、決して飲酒を肯定するものではありません。
お酒は楽しく適量を。


・本搾り 冬柑(KIRIN)

みんな大好き本搾りの、冬の柑橘てんこ盛り版だよ。
グレープフルーツをベースに、ゆず、レモン、すだち、かぼす。
そういう香りを楽しむ、味わい。

ゆずとか和の柑橘類は、故郷の寒村のわびしい冬を想起させて、苦手だと思っていたのですが、意外とノスタルジーに昇華されて美味しく頂けます。
今宵は関西風すき焼きに合わせました。
鍋物やおでん、おせち料理にも合いそう。
ありし日の故郷の、柑橘のように苦い想いみたいなのは、私の解像度の低い記憶改竄によって(つまりめでたい奴)、案外と美しい想い出に昇華されたのかもしれません。
冬柑とは、そういうお酒。


・クラフトスパイスソーダ(SAPPORO)

「食事を引き立てる 新・食中酒」

カルダモン、ローレル、レモンピール、ジンジャー、コリアンダーシードなどスパイスを漬け込んだ
香り爽やかなスパイス・スピリッツ。

食中酒。食中毒みたいな言い方が気になるけど、これは香りよく、お手頃価格でつまりお気に入り。翠ジンソーダのウォッカ版てとこ。

つまり、さっぱり糖類ゼロかつ、ジンのクセもゼロの、スパイシーな薬膳ウォッカ。飲むだけで健康になれそうな、食欲増進スパイスの宝石箱や~

中華料理とかも、さっぱりリセットしてくれますし、
炭酸水代わりに。薬っぽい香りが気分転換にもってこい。
甘みが恋しい時は、リンゴジュースで割ってスパイシーなシードル気分も良いですね。


※法事とお酒と故人の思い出話(少々長いです)

わが実家の法事に参加しました。

うちは本家で、お婿さんに来てもらって世継ぎもようけ成しているというのでわが家のヒエラルキーは高め。いわゆるVIP。(ふつーの田舎の農家ですが)
まぁ古くさい、って目をむく方もいらっしゃると思いますが、時代劇みたいな話と思って下さい。

話題の中心になるのは気恥ずかしいのですが、
母親ってだけで、仕事ができない・すぐ休むと思われたり、公共の場で子が騒ぐと蔑まれたり(以下愚痴により略)ふだん忸怩たる思いを味わっているので、たまにはこのように親として顕彰される場はレアなもの。

我々は紡がれた命、先祖の残してくれた命。「生かされている」んやとお坊さんのいつもの説法もありがたく耳に入ります。

法事の後は親族で飲み交わしながら、故人の思い出話にも花が咲きました。
そういう昔話は大好きなのです。その中で、私の祖母の祖母、つまり4代前のおばあさんが、いわゆる「視える人」で岐阜の山奥で先の合戦の甲冑などを集めては祠に収めた。彼らの霊を鎮めながら、ひねもす暮らしていたという不思議な話を聞いて、とても興味深かったです。

祖母もお酒とオカルトが大好きな人でした。
ばあちゃん、あの世から見てたかな?
(過去記事を発掘)→祖母の家系が平家の落人?というネタです。

私、視ないようにしているので「視えません」が、聖なる物や高次元のものに惹かれる気持ちには抗い難いことはあります。
(すぴりちゅある!)
めんどくさい繊細さんで浮世離れしてて、現実にあまり執着しないのはダメダメな不思議ちゃんなのだけど。
その辺も血脈なのかしらん、と私の嗜好に箔を付ける格好のネタになりましたとさ。

箔の例
・佐々木源氏の庶流(父方)
・近江商人の末裔(母方)
・平家の落人(祖母方)
・視える人←New!

つまらない凡人ほど自分を箔で飾りたがる、
帰宅後も地酒を飲みながら夫にくだを巻きます。
「私は巫女の血脈よ!私のお酒を飲みなさい!」(盛りすぎ)
ハハ、、おめでたい奴。なかなかのVIP人生。

夫は法事の仕出し弁当にアサヒスーパードライは合わん、といつも愚痴っていますが、まぁわかる。(昭和のおっさんってスーパードライ好きね)
クッと地酒と共に湖魚や刺身を頂くのが乙なものです。

・原酒 多賀(多賀株式会社)
飲んだことなかったので、小ボトルでお試し。
原酒らしい強めでキリッと日本酒感ある味わい。ロックでも良さげ。

・湖濱 純米(佐藤酒造)
長浜の地酒。
控えめながらキレが良く、青草のような爽やかな香り。
青草?って意外に思われるかもしれませんが。甘みもあり、湖岸に茂る夏草のように優しい雰囲気のお酒でした。


以上、
読んで下さりありがとうございます。
自分語りが多くなりましたが、先祖の話って意外と知らないものです。
みなさまの先祖は、どのような方かご存じなものでしょうか。

先祖の人生を思いながら、今世を俯瞰してみると、
自分は特別だけど、特別じゃない。
無二の生だが、大河の一滴。
メタ視点というか。すこし気が楽になれる気がしますね。
とりあえず、今宵も神の酒で、乾杯。


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