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カラスとオキシトシン【かぁ(火)曜日はカラスのジュ-ル】

みなさまは、カラスが好きですか?嫌いですか?多くの方は、たぶん嫌い、または苦手だと思います。だってカラスってゴミや畑を荒らすし、鳴き声はうるさいし、可愛い小動物にとっての天敵、時には人間も襲う
迷惑な鳥だから。

わたしの住むフランスでも同じような理由からカラスは嫌われています。
わたしもカラスは嫌い。苦手でした。
ジュ-ルが我が家に舞い降りてくるまでは。


* * * * * 


みなさま、こんにちは。【かぁ曜日はカラスのジュ-ル】の時間がきました。

今日は、前回に引き続き、5月末の頃のジュ-ルの様子をお話します。

前回のお話をまだお読みでない方は、こちらからどうぞ

外に出たジュ-ルは、本能から、飛んでいる虫や蝶を追いかけて捕食するようになりました。でも、なぜか、畑で見つけたミミズは、くちばしでつっついて遊ぶだけで食べません。

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捕食の分だけでは、十分でないので、今までどおり、餌をあげます。

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餌付けをしているので、お腹が空いてくると、おねだりします。

この口を見ると、まだ赤ちゃんなのかなぁと思ってしまいます。でも自立させなければなりません。そこで少しづづ、自分で食べられるようにしてやります。

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自分で餌を食べるジュ-ル。

わたしが近くにいると、手にとまってしまい、餌を口に入れてとおねだりされてしまうので、離れて見守ります。

* * * * * 

外の世界を発見するジュ-ル。

自分から羽ばたくようになり、庭の木にとまり、くつろいでいる様子。

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エルダーフラワー(ニワトコ)の木に飛んでいきます。この木はこんな感じ。

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そんなに高くない木です。ここにとまって、よく毛繕いをしています。

この隣に家庭菜園があり、わたしは作業をしながらジュ-ルを見守っています。畑の中にジュ-ルが入ってきて、芽をつつこうとするので、優しく話しかけて、手にのせて、違う場所に移してやります。

あるものが必要になったので、納屋へ取りに行って戻ってくると、それを見たジュ-ルが、慌てて、遠くへバサバサっと、飛んで行ってしまいました。


そのものとは、コレ





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ジョウロ

鉄砲にでもみえたのでしょうか。今まで飛んで行ったことのない高い木にとまったまま、降りてこない…。

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まるで、子供が木登りして、登ったのはいいけれど、気がついたらすっごく高い所まで来ちゃっていて、降りられな-い、みたいな感じ。

ジョウロがそんなに怖かったのか、ここに2時間くらいとまっていました。さすがにお腹が空いたのか、ちゃんと降りてきてくれましたが。


でも ある日、事件はおきた。


それは、5月29日、日曜日

フランスの母の日。

天気の良い日で、お昼は庭で食べることに。

テ-ブルとイスを並べ、ジュ-ルも庭にいて、楽しいひととき。

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食事が終わり、デザートは棒アイスを食べようということに。

テ-ブルを離れて、リラックスしながらのアイス。

わたしは、アイスを取りに台所へ、主人は、「あぁ、じゃぁ、アレ出してくる」と言って、そのアレを取りに…。

そのアレを、ジュ-ルが見た瞬間、

バサバサッ

と、ジュ-ルが、遠く、とおく、何処かへ飛んで行ってしまった。庭の反対側、いつも行かないところへ。


そのアレとは、コレ




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デッキチェア


なぜ、これが怖かったのか、それはジュ-ルにしかわからないけれど、すごい勢いで、逃げた。

どこを探しても、ジュ-ルはいない。呼んでも返事をしない。

楽しい母の日のランチが、一転してしまった。


この日は日曜日。娘を中学校の寮へ送りとどける日。

日曜日の夕方は、いつも少し寂しくなる。車で娘を寮へ送り届けたあとは、いつもさみしい。日曜日の夜が嫌い。あと5時間もしたら、お別れの時間だ。

もしこのまま、ジュ-ルが戻ってこなかったら、え、これはもう永遠のお別れなの?

準備ができていなかった。心の準備。いつかジュ-ルを野生に戻してあげたいと願いながら一緒にいたけれど、突然すぎる、あまりにも突然すぎる。

そんな悲しみの中にいる私に主人は、

「きっとこのまま、自然に戻るんだ。仲間も見つけて、うまくやっていくさ。」と。

そうかもしれない、そうであってほしい、いや、そうであってほしくない!

だって、まだ自分で必要な分の餌を捕まえれれないよ、死んじゃうよ。

あちこち、探してみる。呼んでみる。

でも、いなかった。

* * * * * 


寮へ行く時間になった。

支度をしていると、主人の声。

「見つけたよ、見つけた。あそこにとまってる!」

それは、高い、高い、もみの木。

こんな所で、鳴くことすらできずにいたんだ。

「ジゅぅ-ぅぅぅ-ル」

大きい声で呼んでみる。

「がぁぁ-っ、がぁぁ-っ、がぁぁ-っ」

鳴いた。そして飛んできた。わたしの胸に向かって。

さぁ、出発までに時間がない、おなかすいたよね、ご飯あげるよ、ご飯食べようね。そう、もう餌じゃない、「ご飯」だ。

そう、この子は、うちの子。

野生に返したいっていうのは、表向き。

本当はもう、ジュ-ルは家族の一員なんだ。ジュ-ル、ジュ-ル、もう心配したんだよ。よく戻ってきてくれたね。嬉しいよ。ジュ-ル。

これが、この時感じた私の正直な気持ちです。

* * * * * 

あれから、もうすぐ2か月が過ぎようとしています。

この間にいろいろな出来事があり、私の気持ちも揺れました。

次回はこの揺れ動く気持ちをお伝えできればと思います。

最後までお読みくださりありがとうございました。それではまた

来週のかぁ(火)曜日のジュ-ルの日にお会いしましょう。

最後に愛らしいジュ-ル写真をもういちど。

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また来週

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