心を伝える〜デザイナーが備える素養〜
私の仕事は
デザインを通して人の「心」を伝えること。
つまり、人が心から発信したい"メッセージ"を読み取り、それを形にすることだと思っています。
デザインが持つ力は偉大です。
人を幸せにするための文化技術、それがデザインなのですから。
デザインは単なる美しい絵や装飾ではない。
人が伝えたいメッセージや想いを形にする最善で最高の技術。そう捉えています。
わたしは、常に相手のニーズや感情に寄り添い、それを分析しながらデザインを考え、心に響くメッセージは何か?を探り当てることから仕事を始めます。
だけど、自分のこととなるとなかなか、自分が伝えたい真のメッセージは何か?を掴みにくかったりします。
つい先日も、ある大先輩を通して、深い学びと気づきがありました。
「わたしは、わたしの心を、ちゃんと伝えたい大切な人に、伝えていただろうか?」
そんなことを、考えさせられたのです。
今、わたしが相手に抱いている不安は
相手にも抱かせてしまってるかもしれない。
今、わたしが相手に心配していることは
相手もわたしに対して心配に思っていることかもしれない。
この「不安」や「心配」の域を脱出する方法はひとつ。
「心を伝えに行く」ことだと。
日々の生活や仕事に追われる中で、どうしても疎かになってしまったり、蔑ろになってしまったりすることもあります。
だけど、やっちゃったなぁー
なっちゃったなぁー
と、心を放置して時間の上に流しっぱなしにしていては、自分の心すら掴めない。相手の心のメッセージなんて、掴めやしないのです。
そんな気づきを得た中で
「あの人にも話に行かなくちゃいけないな。」
「あの人とも、もう一回心から向き合いたいな。」
そう思い描いた人物像が、ぽつりぽつりと
脳内に浮かび上がりました。
読者の皆さんの中にも、そんな方がひとりやふたり、いらっしゃるんではないかな?と期待を込めて思ったりします。大丈夫、仲間です笑
いま、思い描いた人と、今年中に話をしにいってみませんか?
心を伝えにいってはみませんか?
「わたしはあなたのことを想ってる。
確かにあの時は傷ついたし、傷つけました。悪いことをしたと思ってる。ごめんなさい。だけど、わたしにとって、あなたは大切な人だから、もう一度、関係をやり直させてもらえないですか?」
こんなメッセージを心から伝えたらきっと
伝わるものもあるのではないだろうか?
伝え方、段取りはきちんと踏まなきゃいけない。
今まで散々、蔑ろにしたんだから。
傷つけてきたんだから。
不安にさせてきたんだから。
目的は、相手を安心させること。ただひとつ。
そして、その成果として、自分自身をも安心させること。
多くのプロジェクトを手がける中で、やはりクライアントの中に眠る、声にならない「不安」や「心配」に向き合うことが、一番重要なんだということにも気づかせてもらえてきました。
だからこそ
相手の不安を放っておかないこと。
それはいずれ、自分の不安にも還ってくるから。
常に相手に安心と感謝を。
この仕事は単なる技術的なスキルだけでなく
創造力や感性を駆使して、相手の心に訴えかけるものづくりをすることこそに、プロフェッショナルの心意気が宿る仕事だと思っております。
だからこそ、
相手の心の内側、響くところはどこにあるのか?
は、感性と想像力をもってして
掴み取りに行く努力をするのも
デザイナーという職業を全うすることなのでしょう。
まだまだ、その感性をフルカウルで使えてないわたしは未熟者。これからも、たくさんの人の心を動かせるデザインを生み出すために、人の心に安心を宿していきたいとおもっています。
トップ画に使わせてもらった絵は
SHOGENさんの
『おやすみ』というタイトルの絵。
『人と話すときは、抱きしめるように話すんだよ』という、ブンジュ村の村長さんのお言葉からインスピレーションを受けたもの。
SHOGENさんについてはこちらのリンクからhttps://motion-gallery.net/projects/shogen
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