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読書のススメ ~銀河英雄伝説(本伝後半・続)~

こんにちは! あたたけ です。

前回に引き続き、銀河英雄伝説(本伝後半)の読書感想文です。

銀河英雄伝説(東京創元社/田中芳樹/らいとすたっふ)

今回も、本文中の気になった言葉をあげ、思うところをまとめてみます。

誰からも批判されず、誰からも処罰されず、自省の知的根拠を与えられない者は、自我を加速させ、暴走させるようになる。
(8巻 34ページ)
平和の無為に耐えうる者だけが、最終的な勝者たりうる
(9巻 67ページ)

仕事って『何かしらの成果を出して終わり』ではありません。一つ一つの仕事には区切りや終わりはあるのでしょうが、『人』に焦点を合わせると、隠棲でもしない限り、成果が出た先も仕事や組織に関連して生きることがほとんではないでしょうか。
で、その『成果を出した後の生きざま』で失敗することがあるんでしょうね。さらなる成功を求めてしまう、過去の成功体験にとらわれる、などなどでしょうか。
自分自身が失敗するのは仕方ないとして、それで周りの人(特に後進の人)の成功を阻害する、いわゆる『老害』になってしまうこともあり得ます。成功した人、忖度される立場の人こそ、自省が大切なんですよね、たぶん。
まぁ、あたたけは、一生遊べるくらいのお金が手に入れば、遠慮なく隠居生活に入りますけどね。『目指せ、左うちわ』です!

公正さに背いても既得権を確保したい、と望み、反対者を抑圧することによってその確保を絶対のものにしようとする精神のどこに、向上と進歩への余地が残されているであろうか
(6巻 18ページ)

これも『既得権益者』や『老害』への厳しい言葉ですね。組織を動かすには『政治的な駆け引き』『上からの指示』が大事な場面もありますが、動かした先には、個人ではなく、組織全体の利益を見ないとダメですよね。てゆーか、個人の利益を先に考える人って、やっぱり信用を失っていく気がします(そうあって欲しいと願います)。

信念とは、あやまちや愚行を正当化するための化粧であるにすぎない。化粧は厚いほど、その下の顔はみにくい
(6巻 82ページ)

ちょっと極端な気もしますが、『信念』や『正義』というものは、あくまでも主観的なものなんですよね。
強い信念、強い正義感って何となく良さげな印象を持っている人もいるかもですが、『とてつもない頑固者』ってことですからね。頑固が必ずしも悪いとは言いませんが、『変化への対応』は難しくなるでしょう、きっと。
仕事で『正義』を振りかざす人とは一緒に働きたくないです。。。

ことなる体制によったからといって、現実にそれがもたらした改革の果実を、地にたたきおとすわけにはいかない。
(9巻 186ページ)

仕事に限りませんが、『自分と考え方が違う人の成功は認めない』という人をけっこうな頻度で見かけます。そういう人って『あの人は、今、たまたまうまくいっただけ。次はうまくいかない。』が決めゼリフになっているような。。。。。
確かに、『偶然の成功』はあるのですが、『自分の考え方と違う成功は全て偶然』というわけでもないですからね。
何にしろ、『他人の成功への批判』ばかりする人って、一緒に仕事したくないですね。

品質管理という立場で考えれば、『今のいいところは残しつつ、足りないところ、将来的にうまくいかなそうなところを改善していく』というのが継続的改善に取り組む際に意識すべきことでしょう。
『全否定』から入った時、一番困るのは現場なんですよね。『ダメなのはわかるけど、今日の仕事はどうするの?』ってなりますから。

問題は制度よりむしろそれを運用する人間にありましょう。
(7巻 25ページ)

これも品質管理担当者には大事な言葉だと思います(本文では政治制度の話ですが)。
うまく結果が出なかった時、制度(≒計画、P)だけでなく、人(≒実施状況、D)も考えようねって話ですね。教育の成果、力量評価の大切さを忘れないようにしたいですね。

その彼を統御する者は、彼より高い才能と広い器量と深い人格とをそなえているべきではないのだろうか。
(7巻 22ページ)

思い返すと、この言葉はあたたけにだいぶ大きな影響を与えていたようです。あたたけの『ダメだと思った上司への容赦のなさ』の根源でしょうね、たぶん(と、自分の欠点を他人のせいにしてみた)。
ラインハルト陛下のような完ぺきさはムリでも、アルスラーン陛下のような器量は持っていて欲しい。。。。うーん、理想が高すぎですね。。。。

ことばでは伝わらないものが、たしかにある。だけど、それはことばを使いつくした人だけがいえることだ
(9巻 75ページ)

これには、心をえぐられました。ことば(コミュニケーション)だけのことではなく、『文句を言うなら、やるべきことをやってから』ということですね。

こうやって想いというものは受けつがれていくのだろうか。・・・・年長者から年少者へ、先人から後続者へ、想いのたいまつはリレーされていくのだろうか。その火を基調に思う者は、それをたやすことなく、つぎの走者に手わたす責任があるのにちがいなかった。
(9巻 14ページ)
後世の人々に判断と考察の機会をより多く与えるのは、この時代を生きた者の義務であり、責任である
(10巻 235ページ)

自分は後進に何を残すことができるのか』、これは、あたたけがnoteに投稿するけっこう大きな目的です。先達から受け継いだものを食いつぶすのではなく、少しでも何かをのせて後進に受け継ぎたいと。
だいぶ前に似たような記事を書いたなぁと思って見返すと、ここでも銀英伝を引用していました。。。。。。

「自由・自主・自律・自尊」
(9巻 238ページ)

ようやくたどり着きました。あたたけの座右の銘です。
何にも縛られず(立場や地位で忖度せず)、自ら考えつつ自らを律し、自分も相手も尊重する、そういうものにあたたけはなりたい。

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それでは今回はこの辺りで。
あたたけの拙い感想でも何かしらを感じた方は、ぜひ、銀河英雄伝説をご一読ください。
伝説が終わり、歴史が始まる。

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