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読書のススメ ~銀河英雄伝説(本伝後半)~

こんにちは! あたたけ です。

今回は読書感想文です。といっても、銀河英雄伝説の続きですが。
ちょうど、Die Neue These 第三期のニュースもあり、テンションあがりぎみです!

銀河英雄伝説(東京創元社/田中芳樹/らいとすたっふ)

前半部(1~5巻)は以前まとめましたので、今回は後半部(6~10巻)です。

5巻の最後で、いちおう人類社会が統一され、ラインハルトさまが皇帝に即位されましたので、後半はその後のお話です。まぁ、前半に引き続き、戦争が絶えないのですが。。。。(現実と異なり、エンターテイメントとしては『平和・安定』だけではなかなか話にならないですから仕方ないのですが、作中の一般市民にはたまったものではないでしょう)

ということで、本文中の気になった言葉をあげ、思うところをまとめてみます。

そもそも宗教というのは、権力者にとっては便利なものさ。人民の味わうすべての不幸が、政治制度や権力悪のためではなくて、彼ら自身の不信心のせいだと思いこませれば、彼らは革命をおこそうなどと考えないだろうからな
(6巻 97ページ)
宗教そのものを否定しようとは思わないが、宗教組織が権力を欲するのは絶対に否定されねばならない。
(6巻 98ページ)

後半は『宗教組織』の負の側面が強調されています。まぁ、描かれ方は『宗教の名を借りたテロ組織』なんですけどね。
あたたけの宗教観は、いわゆる日本人らしい『無節操』、初詣もお盆もクリスマスもなんでも来いってやつです。無節操ではなく『寛容』と言いたい気もしますが、『自分は寛容だ』とは恥ずかしくて言えませんね。

さて、個人的には『心のよりどころとしての宗教』というものは大切だと思います。神頼みというのではなく、『自分を見つめなおすきっかけ』とでも言うのでしょうか。超常的な存在に向き合うことで、素直に自分を見つめることができるような気がします。
が、それに依存してしまう、あるいは、他者が依存心を利用して意のままに操る・依存心を高めるように導く、というような行為はどうかと思いますね。

ビッテンフェルトの言やよし
(7巻 42ページ)
ビッテンフェルトの論法は、しばしば単純だが事態の本質をつく。
(10巻 33ページ)

後半、ビッテンフェルト提督がけっこうなターニングポイントを作っています。ビッテンフェルト提督を一言で表すと『猪突猛進』なのですが、その分?ものごとを単純に捉え、考えすぎて思考の迷路にはまっている人に出口を示すような描写がされています。
いろんなことを考えて身動きがとれなくなることってありません?で、時間だけがすぎていき、自分の首を絞めてしまう。。。
迷ったときはシンプルに考える』これってとても大切だと思います。

彼は提案し企画するだけで、決断と実施は他人の責任だった。彼は自分の企画力をほめ、他人の実行力をけなしているだけでよかったのだ。
(6巻 172ページ)
行動と創造が批判に先だつべきであったからだ。
(9巻 19ページ)

これは仕事をする、というか、仕事上で信用を得るために大事なところなのかなと思います。組織の中での役割にもよりますが、問題提起や(思いつきだけの)提案で仕事をした気になっている人っていませんか?
特に、『品管』とか『監査』とかいう部署?肩書?の方に多い気がします。仕事柄、どうしても『他者へのダメ出し』が多くなってしまうのでしょうけど、それだけだと組織の一員としてはあまりにも無責任だと思います。仕事をしているようには見えますが。。。。。。
組織から何かしらの恩恵(≒お金)を得ている以上、『批判』だけでなく『提案』をするのは当然ですし、決断する権限はないにしても『提案が採用された時の責任』は考えないとダメでしょう。
あたたけも、品質管理・食品安全担当者として、『行動と創造』をする部門への敬意を持ち、『自分は支援する立場』ということを忘れないようにしたいです。

正しい判断は、正しい情報と正しい分析の上に、はじめて成立する
(9巻 75ページ)
未来に思いをはせる者は過去を知らずにすませることはできない。
(6巻 123ページ)

銀河英雄伝説では『情報』の大切さが強調されています。『歴史』というのも『過去の事例』という情報になりますね。情報をいろんな視点から捉え、時には相手の心理も推察することで、周りからは『魔術』としか見えないような作戦が出てくるのでしょう。
まぁ、小説内での話ですから、『フィクションだから成功するのは当たり前』と考える方もいるかもしれませんが、『情報(・知識)』が判断するときに大切なのは事実ですね。情報に基づかない思いつきでの判断をした場合、成功することもありますが、なぜ成功したかわかりません。失敗した時も同じです。情報という判断根拠が明確になっていないと、『再現性』や『(失敗からの)学び』には繋がらないと思います。

ちなみに、情報や知識というものを、あたたけは『言葉で表すことができるもの』として扱っていますが、『実際には言葉で表すことができないが、情報や知識と同等もしくは勝るレベルの判断根拠』に『良質な経験』というものがあると思います。この『経験』が飛びぬけた方が『職人』と呼ばれるのかなぁと思います。
HACCP制度化って、どうしても『言語化』というものがつきまといます。『経験豊富な職人』をダメだと判断するようなものにならないことを祈るばかりです。

いかに忠実で勇敢な兵士でも、心身のエネルギーに限界がある。それをおぎなうには、数量をそろえてそれを回転させ、休養させつつ戦うしかないのである。大軍が有利なゆえんである。
(9巻 182ページ)
兵の士気に、今回まったく幻想をいだいていなかった。・・・・結果として、用兵家としての冷徹さを生かしきることになったようである。
(9巻 182ページ)

先ほどの『情報』と同じくらい重視されているのが『補給』です。心身が適切に稼働するには補給(休息)が必要なのは当然です。なのに、ブラック企業がなくならない現実。。。。。。
確かに『士気』というものが最後にものを言うこともありますが、それはあくまで最後の最後、あと一歩の後押しでしかないと思います。それを『組織運営の基本』にするのはどうでしょうねぇ。
『士気』とか『忠誠心』とか『愛社精神』は、あくまでも『環境』を整えた結果、醸成されていくものと認識しないとダメということでしょう(忠誠心とか愛社精神ってあまり好きな言葉ではありませんが)。
まぁ、経営層の資質だけでなく、『休息は仕事をしていないこと』という認識を持っている従業員の問題もあるんですけどね。


だいぶ長くなったわりに、まだ書ききれていない。。。。。
とゆーことで、次回は銀河英雄伝説(後半)の読書感想文の続きです。
ホクスポクス・フィジプス!


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