アソ読会(しーなま)

ソーシャルワークを、人と他の動物との関係から見直すことを目的としたオンライン読書会を開…

アソ読会(しーなま)

ソーシャルワークを、人と他の動物との関係から見直すことを目的としたオンライン読書会を開催しています。 ここではその告知や報告などをおこないます。 毎月第1・第3金曜日 21:00~ 参加者募集中!

最近の記事

人間家庭で育ったオランウータンにとって福祉とは何か?(第5回アソ読会報告 おまけ)

第5回で議論が盛り上がったけど、報告記事に載せきれなかったものについて、もったいないのでおまけ記事として書いておく。 1.動物の社会的立場と道徳的地位動物介在活動(AAI)における動物の福祉への配慮に関連して、動物の社会的立場の意味について少し述べる。一部の動物には、人間と同様に、社会的な役割を欲すものがいる。犬は、その典型である。よくある誤解だが、躾をしない自然なままの欲求の発露を受け入れることが、犬にとっての福祉ではない。犬は、躾され、主人を持つことで、その習性を発揮し

    • 「「重要な他者」としての犬」(第6回アソ読会報告)

      実施日:2020/10/2 文献:Gerda Bikales (1975). The Dog As "Significant Other"(「「重要な他者」としての犬」) 1.「The Dog As“Significant Other”」の概要「The Dog As“Significant Other”」(「重要な他者としての犬」)は、全米ソーシャルワーク協会の“Social Work”(1975年3月)に掲載された。それはある認知症高齢者の女性と、そのペットの犬に関する

      • 獣医療ソーシャルワークとは何か?② 動物虐待と人間への暴力の「リンク」、動物介在介入(第5回アソ読会報告)

        実施日:2020/9/18 文献:T. Melissa Holcombe, Elizabeth B. Strand, William R. Nugent & Zenithson Y. Ng (2016). "Veterinary social work: Practice within veterinary settings"(獣医療ソーシャルワーク:獣医療的状況のなかでの実践) 第5回では、第4回で扱った「獣医療ソーシャルワーク:獣医療的状況のなかでの実践」の続きを読ん

        • 獣医療ソーシャルワークとは何か? グリーフケアと共感疲労(第4回アソ読会報告)

          実施日:2020/9/4 文献:T. Melissa Holcombe, Elizabeth B. Strand, William R. Nugent & Zenithson Y. Ng (2016). "Veterinary social work: Practice within veterinary settings"(獣医療ソーシャルワーク:獣医療的状況のなかでの実践) 第2回、第3回と理論的で少々抽象的な議論が続いたので、第4回アソ読会では、具体的な実践に関する

        人間家庭で育ったオランウータンにとって福祉とは何か?(第5回アソ読会報告 おまけ)

          Human-Animal Studiesはソーシャルワークにどのような影響をあたえるか?(第3回アソ読会報告)

          実施日:2020/8/21 文献:"Human-Animal Studies: Social Work"(2016)の「まえがき」と「序論」(著者はMargo DeMello) 第3回は、第2回で読んだ文献の「イントロダクション」(序論)を読んだ。理由は、第2回で読んだ文献に出てきたHuman-Animal Studies (HAS)について学びたいと思ったから。この「イントロダクション」の著者Margo DeMelloは著名なHAS研究者である。その内容は、私たちが知り

          Human-Animal Studiesはソーシャルワークにどのような影響をあたえるか?(第3回アソ読会報告)

          人以外の動物は、人の福祉にとって重要な「環境」の一部である。(第2回アソ読会報告)

          実施日:2020/8/7 文献:Christina Risley-Curtiss (2016) “Social Work and Other Animals: Living Up to Ecological Practice”(ソーシャルワークと人以外の動物:エコロジカルな実践にそって) ←アマゾンで350円で買える ​ 第2回からは、いよいよ本番、読書会の開始である。この文献はHuman Animal Studies(人と動物の関係学)の観点からソーシャルワークを論じ

          人以外の動物は、人の福祉にとって重要な「環境」の一部である。(第2回アソ読会報告)

          人の福祉と人以外の動物の福祉の間に生じるジレンマに、ソーシャルワーカーは何をすべきか?(第1回アソ読会報告)

          第1回アソ読会 実施日:2020/7/23(木) アソ読会でやってきたこと、これからやることをこのnoteに書いていこうと思う。さしあたり、いままでにやった7回に関して、その報告を、主催者の私(しーなま)の観点から書いていきたい。 さて、第1回は、会の趣旨や進め方について話をして、参加者の顔合わせをおこなった。そのとき話した会の趣旨や進め方などについては、すでに別のところに書いたので、そちらを見ていただきたい。 参加者は私を含めて5名で、ほかにも当日欠席だが2名の参加希

          人の福祉と人以外の動物の福祉の間に生じるジレンマに、ソーシャルワーカーは何をすべきか?(第1回アソ読会報告)

          はじめまして

          はじめまして。 ここはアニマル・ソーシャルワーク読書会(アソ読会)のnoteです。 だから、アソ読会の紹介をします。 ①目的:SWを人以外の動物との関係から見直す。  本会は、いわゆるアニマル・セラピーを(少なくとも主に)研究する会ではありません。クライエントを支援する際にその同居動物の存在がどのように関わる(べき)か、動物それ自体の福祉がソーシャルワーク(SW)とどのように関わる(べき)かなどが、想定されるテーマです。  また、本会では実践にそくしつつも、how to