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記憶にとりつかれ、しがみついている

見かけたら思わず買ってしまうセブンイレブンのお好み焼きパン。
味は当然うまいのだけど、もちもちの生地の中に焼きそばが入っているあたり広島を感じられて良い。

食べている間、学生時代にいた広島に想いを馳せて郷愁に浸る。
たくさん出来た良い思い出とよく食べていたお好み焼きの味がリンクしているのだと思う。

記憶と味覚は僕個人のものだから、残念ながら他人に伝えきったり、同じ気持ちを共感してもらえることはほとんどない。もし共感できる人がいたらかなり気が合うと思う。

学生時代からセブンイレブンのヘビーユーザーの僕は、たぶん、初めて棚に並んだお好み焼きパンを知っている。
何度か商品名は変わったが、当時は確か「広島風お好み焼きパン」だったと思う。
初めて食べた時はこれを考えた人は天才だと思った。再現具合がかなりイケてた。
何年もたった今でも食べられることがありがたい。

お好み焼きパンを食べる時、僕は広島にいる。
無敵だったあの頃の記憶の中にいる。

新しい環境でうまく行かないことが多く、過去の成功体験からなかなか離れられない。
一部ではそれも良くて一部では不十分なのはなんとなく経験した。

0になってからまた積み重ねていきたいと思うけど、とりつかれているように思い出に戻ってしまう。

思い出に戻るといくらか安堵する。
淀んだ精神から逃げるように、しがみつくように、戻る。

「何とかなる」と「このままじゃダメだ」が入り混じる。

記憶と感覚の結びつきがこんなにも自分を追い詰めるのか。

どうしようもない今に向かっていくしかない。

いつかこう思った記憶が良い思い出として気を楽にしてくれるといいなと思う。

もう、たぶん、味覚に結びついている。

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