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「す紅茶」と「がらラーメン」

「紅茶に塩を加えるか否か」という米英の論争が話題になっていた。
塩をひとつまみ入れると、苦みが和らぐそうである。

科学的にはそれは事実らしいけれども、私は苦みのない紅茶なんて欲しくない。
ビールも珈琲も緑茶も、私には苦みあってこその美味しさ。
昔「クリープのない珈琲なんて」というCMがあったが、私は珈琲にも紅茶にも何も入れない。
とはいえ、こういうものは個人の好みの問題。

子供の頃、遊びに行ったお宅で麦茶が出され、一口飲んで吐き出しそうになったのを必死にこらえたことがある。
夏だったので冷やした麦茶だが、そこに砂糖が入っていた。
甘い麦茶は私の想定外だったので、脳がびっくりしたのだった。

大人になってからその話をしたら、友人に「でも紅茶に砂糖を入れたのにはびっくりしないでしょ」と言われた。
なるほど。。

これはこういうものという固定観念にこだわっていると、新しいものは創造も発見もできないということか。

でも私は、紅茶に塩を入れるのも、スイカに塩を振るのもやっぱり好きじゃない。
唐揚げにレモンは、他人がかけたら文句言わずに食べるけど、自分ではかけない。
「美味しい」コロッケやハムカツには、ソースもかけたくない。

反対に「雑味を除いた」ビールも好きじゃない。
「何も足さない、何も引かない」というCMがあったウイスキーは、飲んだことがないけれど、きっと好きだと思う。

そういえば、学生のとき、紅茶のオーダーで「ミルクかレモンか」と問われて、「プレーン」という言葉が思い浮かばず、咄嗟に「す紅茶」と言ってしまったことがあった。
私としては「素うどん」の「す」の意味だったのだが、同席の友人と店の人の頭の上に瞬間的に「?」が見えたという思い出がある。

「素うどん」も東京ではあまり聞かない気がする。
具のないうどんは「かけうどん」って言うよね。
「素そば」という呼び方はもともとなくて、全国的に「かけそば」なのか。
故郷でもうどんは「がらうどん」と言うけれど「がらそば」は聞いたことがない。
でも私は、自分で作る具なしインスタントラーメンを勝手に「がらラーメン」と命名している。

これは具があるので「がらラーメン」じゃなくて、昨日のお昼に食べたうちのタンタンメン。
ひき肉は、別にフライパンで甜麺醤で炒めておくのがお約束。
青梗菜でなくほうれん草なのは、そのほうが好きだから。
白ごまを切らしていたのが残念。

読んでいただきありがとうございますm(__)m