甲本ヒロトの凄さ〜聴く者を納得させるということ〜
最近、ブルーハーツしか聴いていない。『キスしてほしい』『青空』『夕暮れ』『情熱の薔薇』、特にこの4曲ばっかり聴いている。
その『情熱の薔薇』を聴いて、改めてヒロトは凄いなと思った。
私は、全部がデタラメなら面白いと思ったことがない。自分の経験してきた全部に意味があってほしいと思っている。
なのに、次の「そんな気持ち分かるでしょ」で、確かにそんな気持ちが分かる。今までそんな気持ちは、一度も持ったことがないのにもかかわらず。
2番の歌詞もそう。
不幸せは小さい方がいいけれど、幸せはでっかくあってほしいと思っていた。ほんのちょっとの幸せなんて、ちみっちゃくてやってらんねーよ、って。
不幸せを「集める」という発想も、私にはなかった。
なのに、次の「そんな気持ち分かるでしょ」で、やっぱり確かにそんな気持ちが分かるのだ。幸せは小さくていいと思うのだ。生まれて初めてそう思った。
音楽を通して、人が一度はぼんやり感じたことのある気持ちを掬い出す。あるいは、自分が強く感じている気持ちを伝える。それはやっぱり、素直でストレートな飾らない言葉だけで歌詞を書いているからこそ、成せる技なのだと思う。
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