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おかげさまで5周年〜予約ゼロから一家の大黒柱へ〜

はじめに

2015年8月8日にオープンした【あすか鍼灸院】は今年で5周年を迎えました。
予約ゼロが日常、開業後まもなく妊娠、休業…とオープンしたものの、はたから見ると「あの鍼灸院いつやってんの?!」という感じだったと思います。

そんななか無事に5年間続けてこられたのは、家族・患者様・地域の方々・SNSで見守ってくださった方々などたくさんの人の支えのおかげに他なりません。
心より御礼申し上げます。

5年というと1つの節目。
この5年間で変わったことを振り返ってみました。

この5年間でかわったこと

・娘が誕生した(現在4歳)
・町に2店舗目をオープンした
・鍼灸で生計が立つようになった
・夫が会社を辞めた
・約100万円の貯金が10万円になった
・20代から30代になった

こうやって振り返ると後半はめちゃくちゃですね。
子供がいるのに貯金が10万円って…、5周年よりもそっちに目がいっちゃいますね。
つらくないの?と思われるかもしれません。
それがつらくないのです。
5年前よりも今の方が幸せだと感じます。
さらにいうと今まで生きてきたなかで、今が1番幸せです。

この5年間の心理的変化

1.駆け出し・やったるぜ!期
2.予約ゼロ!・悶々期
3.妊娠&子育て・心身ずたぼろ期
4.夫と話し合い・再構築期
5.2店舗オープン・ようやく好調期
6.夫が無職に・波乱万丈期
7.ゴールを模索・甘い苦しみ期

このような変化を経て、今⑦にいます。
簡単に説明するつもりが長くなりました。
よかったら読んでみてください。

【1.駆け出し・やったるぜ!期】
これはそのまんまです。
鍼灸学校を卒業し、国家試験に合格し、師匠の元を離れ、「新天地の長野で開業するぞ!」と燃えている時期です。
はっきりいって、勢いだけで開業しました。
開業したら人が来てくださって、大好きな鍼灸治療ができて、治療結果も良好で相手に喜ばれ、一人前の鍼灸師になれるって本気で思っていました。
その幻想は一瞬で崩れ去ります。

【2.予約ゼロ!・悶々期】
オープン当初はもの珍しさで、近所の方がちらほらいらっしゃいました。
しかし続かず、まもなく閑古鳥が鳴くようになりました。
来てくださった方がみんなよくなって私が暇になったのならいいのですが、きっと違います。
説明が不十分で、私の治療を続けた先の未来が描けないということが大きな原因だったと思います。
治療技術の未熟さも、もちろんあると思います。
なんで人が来ないんだろう?
続けていたらそのうち周囲からの認知度が高まって、来てくださるようになるのかなぁ?
と思いながら、特に何も行動は起こさず、悶々として過ごしました。

【3.妊娠&子育て・心身ずたぼろ期】
開業後まもなく妊娠しました。
「妊娠・出産にともなう体の変化を知りたい!」と思っていたから、妊娠は嬉しい変化でした。
「これで妊婦さんや子連れの方の治療が得意になるぞ!」と思っていました。
ところが、です。
母親になることに恐怖をおぼえ、妊娠中はぷち鬱状態でした。
自分が思春期に親と折り合いがつかず、苦しい思いをしたことが思い出され、「お腹の子にも同じことをしてしまうかも…」と泣きまくりました。
そして出産。
母になりました。
子育てという、まったく未知のことを、頼れる知り合いがいない新天地でやること。
予想以上の大変さでした。
「この子をちゃんと育てなきゃ!」というプレッシャー。
「なんでこんなに泣くんだろう?私のやり方が変なのかな」と常に思っていました。
もの言わぬ娘と家にこもって、イライラ悶々としながら過ごしました。
成果がみえづらく、自分が毎日何をやっているのかわからない…。
日々のストレスで心身ともに病んでしまいました。
膀胱炎をこじらせ、お小水を我慢できなくなって、尿漏れする自分が情けなくてトイレで何度も泣きました。
さらに夫にイライラをぶつけ、関係が悪化。
どこをとっても苦しい時期でした。
娘が元気でいてくれて、ほんとによかった…。

【4.夫と話し合い・再構築期】
これではいけない、と夫が自覚してくれました。
そして子育てに関する動画を一緒に見ました。
そうする中で、日本での子育ての現状を夫が理解してくれるようになりました。
少しでも母親である私のサポートができるよう、会社の勤務時間を調整してくれました。
話し合いを重ね、夫婦の関係がより深くなったように思います。
※ちなみに一緒にみてよかった子育て関連動画は、高濱正伸さんのものです。よかったら検索してみてください。

【5.2店舗目オープン・ようやく好調期】
ご縁に恵まれて、町の方で鍼灸院を開くことができました。
田舎の自宅で細々と営業していた私にとっては願ってもない条件だったので、本当にありがたいお話でした。
オープン後、同じ建物内の美容室からのご紹介ですぐに予約が入りだしました。
ようやく大好きな鍼灸治療を思う存分できる環境が手に入り、毎日が幸せでした。

【6.夫が無職に・波乱万丈期】
鍼灸院の売上が順調に伸び、ようやく楽に暮らせるわぁ〜と思った矢先。
夫が「仕事、辞めようと思う」と。
「いいよ!おめでとう!」と返しました。
デザイン系のベンチャー企業で働いていた夫は、私の目からみればイキイキしていないというか、才能を活かせてないようにみえました。
もともと私の収入が上がったら夫の勤務時間を減らして、好きなことをやる時間を作ってもらいたいと思っていました。
「会社を辞める=夫の収入がゼロになる」は想定していなかったけど、嬉しい申し出でした。
全力で応援したいと思いました。
しかし、私の収入は家族が生活していくギリギリの金額しかありません。
夫が学びたい講座や、2人で商品開発していくために買った陶芸の窯など、将来のためのプラスアルファの出費をするたびに貯金が減っていきました。
夫も私も精神的に追いつめられてイライラし、衝突するようになりました。
喫茶店に入るお金も時間もなく、ローソンの駐車場で話し合いました。
「離婚する?」という言葉も出ました。
ここで2人の関係を終わらせたくないと思ったので、経済の不安を減らす方法を考えました。
ひと月暮らすのに必要な金額を出し、余裕が生まれるように夫がバイトをすることになりました。
幸い、宿直の仕事など、勉強しながらできる仕事が見つかりました。

【7.ゴールを模索・甘い苦しみ期】
経済的なことも落ち着き、ようやく仕事に集中できるようになりました。
が、大好きなはずの鍼灸治療がこの頃楽しくないかも!?と気がつきました。

・ひと通りのことができるようになって飽きちゃったのかな?
・人体のこと、私は何もわかっていない。それなのにこうして鍼灸治療をやっている。なんて恥ずかし人間なんだ。
・そもそも治療のゴールって何だろう?どこに向かってやっているんだろう。

というようなことを考えて悶々としました。
治療中は集中してるから、考えないですが、終わってから上記のようなことを考え、苦しくなっていました。
けれど、自分でもわかっていました。
これは今までと違うフェーズに行くためのステップであること。
高い理想があるからこそ、苦しいこと。
だから苦しんでいる自分もよし、としました。
一生懸命に打ち込んでいるからこそ、苦しい。
ある意味、甘美な、甘い苦しみだなぁと思いました。

今、この文章を書いている最中の最新の変化は「とにかく相手を観察する」ということです。
治療のゴールはこちらが提示するものではなく、きっと相手の中にあるものだ。
だから相手の心身をとにかく観察しよう、と思いました。
5年間の臨床経験のおかげで、治療の行為に意識をそそがなくても手が動くようになってきた。
だからここからは、相手に集中していこう、と思いました。
これは暫定的な答えです。
また変わるかもしれませんが、今、この文章を書いている現在の気持ちです。

今後の予定

私の鍼灸と夫の瞑想の稽古を受けることができる場所を作ろうと思っています。
(夫はここ2-3年毎日瞑想をやっています。瞑想をやり続けた結果、いろんなことに気がつくようになり、その結果会社を辞めたといっても過言ではありません。)
11月末に町の方でやっている鍼灸院を閉めて、リニューアルオープンする予定です。
鍼灸を受けてゆるんだ体と心で瞑想するのは、すごくいいと思います。
そんなセットメニューも作っていくつもりです。
まだ場所も日程も未定です。
追ってご連絡いたします。
ご注目いただけると嬉しいです。

こうして5年間を振り返った感想は「今までの自分、よく頑張ったな。これからの変化が楽しみだな。」です。
みなさんにもそう思っていただけたら、もちろん嬉しいですが、それはそれぞれなので…。
少なくとも自分が自分の過去・今・未来をおもしろがれているこの現実がありがたいなぁ、と思いました。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます(^^)

堀井あすか

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