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新刊試し読み!『トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』

5月17日(金)発売の新刊、『トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』の「はじめに」を公開します!

■編集担当より
「営業は気くばりが大事」と言うけれど、トップセールスは具体的に何をしているのか?
微妙な塩梅として体系化されていなかった「営業の気くばり」について、リクルートで全国トップだった伊庭先生に書いていただきました!

目先の売上だけを考えた小手先のテクニックではなく、長期的に売上を出し続ける営業になれる「気くばりの秘訣」を紹介します!


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【はじめに】

いきなり、生意気なことを言います。
営業ほどラクな仕事はない。
これが私の本心です。
そして、この本ではその真意に触れています。

白状をしますと、最初は「営業ほど地獄な仕事はない」と思っていました。
私は、求人広告の営業が最初のキャリアでした。
飛び込み訪問で新規開拓をする仕事です。
ノルマのプレッシャーに追われながら、どんな悪天候でも、どんなに苦しい状況であっても、お客様を訪問するわけです。
にもかかわらず、「忙しいので結構です」「今は用事がないので結構です」と、断られ続ける。

そして、思うわけです。
「 地獄より地獄ではないか......内勤に異動したいな......」と。

これは営業をしている人なら、わかっていただけるのではないでしょうか。
ところが、営業とは不思議なもので、あるタイミングから、急に売れ始めたのです。
それまで新規獲得が月に 件だったのに、週に 件の契約に急に増え始めたり、お 客様からのご紹介の連鎖が起こり、新規開拓の活動をせずとも新規獲得件数が、事業 部でトップになったり、急に景色が変わり始めたりするわけです。 次第に、既存のお客様への提案が面白いように通りはじめ、売上も会社で全国1位になっていました。

では、なぜ、急に売れ始めたのか。
それは「気くばり」を意識したからにほかなりません。

それまでの私は、がんばって「商品を売る」のが営業だと思っていました。
営業における「気くばり」とは、お客様のちょっとした「お困り事」を想像し、
先手を打った行動をとることを言います。
今までだと、「お世話になっております。ご様子をお伺いできれば......」と、タイミングキャッチを狙った営業をしていたのですが、それだけではそんなに売れません。

お困り事を想像するとなると、会話も変わります。
「 お世話になっております。お忙しいところ、申し訳ございません。ちょっと気になりまして......」と、お客様のお困り事を想像してから連絡をするようになりました。
たった、これだけの違いでも、お客様の反応は変わります。
最初の方法だと、「今は、結構ですよ」と言われることが多いのですが、後者の方法だと、「わざわざ、ありがとうね」とおっしゃっていただくことが多くなります。

■気くばりが〝営業のしんどい〟を解消する
でも、今、「営業がしんどい......」と思うことはないですか。
だとしたら、こう考えてください。
「 しんどいのはプロセスにすぎない」と。

詳しくは第1章で紹介しますが、販売には次のような公式があるのです。
「 行動量」×「技術」×「営業基盤」=販売力

最初は、誰もが「技術、営業基盤」は不足しているもの。
なので、「行動量」で担保するほかないわけです。 ところが、次第に技術を習得するにつれ、より効率的な営業ができるようになりま す。さらにはお客様に恵まれ、たくさんのリピートや紹介をいただける「基盤」ができあがります。
そうなると、冒頭でもお伝えしたように「営業ほどラクな仕事はない」と思える状況になるわけです。

でも、全員がこの境地にたどり着くわけではありません。
しんどい人は、ずっとしんどいままです。
「 塩梅」という言葉があります。
微妙なよい塩加減のこと。非常に繊細なものといってもいいでしょう。
「 気くばり」は、まさにこの塩梅と同じです。
塩梅がわからない人が、いくら料理本を読んで勉強をしても、一流の料理人にはなれるものではないように、微妙な「気くばり」がわからないと、一流の営業にはなれません。

私は、企業研修講師として、各社で営業トレーニングを行っておりますが、ほとんどの営業は、「気くばり」に関しては不十分と感じることが多いです。
その理由の多くが、上司や先輩が、その方法を誰もがわかるように教えることができていないことが挙げられます。
営業の「気くばり」は職人技のような要素もあり、体系的に教えることが難しいのも事実。

だからこそ、この本では、私が研修で紹介するエッセンスを中心に、誰もが結果を出せるセオリーとして、具体的に何をすればよいのかを紹介していきます。

私は確信します。
もし、あなたが営業にしんどさを感じているなら、「営業ほど面白く、そしてラク な仕事はない」と思える世界が、あなたにも待っていると。

伊庭正康