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同性婚合法化へ向けて考える

岸田首相が2月1日の衆院予算委で同性婚の法制化について否定的な考えを示した。
まず私は同性婚には賛成派である。理由としては、どう考えても何も反対する理由がないという結論からだ。
Twitterなどを見てみると賛成派の意見を非常によく見かける。しかしながら反対派の意見もまた多いのも事実。
ここでは同性婚法制化に向けてどうすればいいのかを考えていきたい。


岸田首相は「極めて慎重に検討すべき課題だ」と述べ、否定的な理由としては「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ」というネガティブな姿勢だった。
また、Twitter上で見かける反対派の意見としては「気持ち悪いから」「同性同士の恋愛まではよくても結婚なんて見るに耐えない」などの感情的な意見から、「男女の結婚がこれまでの伝統だから」「今までそれが当たり前だったから」「少子化が進む」「LGBTが増える」「同性婚を認めたら更なる多様性を認めさせようとしてくる」「偽装結婚などの犯罪の温床になる」のような様々な意見が見受けられた。同性婚を法制化するのならこれらの反対の意見に答えを出していかなければならないだろう。


まず、「気持ち悪い」や「見るに耐えない」といった意見に対しては単にその人の感覚や感情的なものでしかないのでこれに反論するようなことは何もない。言われる側としては気分は悪いものの、誰がどう思うかは個人の自由でありそれこそ多様性というものだ。

「家族観や価値観が変わってしまう」という意見について考えてみよう。何にしても、これまでの伝統的な価値観を大切にするというのは素晴らしいことだと思う。しかし結婚に対しての価値観はどうだろうか。ネットやSNS等が発達してきたことによって、同性愛者や両性愛者や全性愛者や性のあり方は多く存在し、これは昔より表面化してきており広く知れ渡っている。それでありながら結婚は男女間でしか認められないという法律は古くなってしまっているのではないか。同性婚によってその他の人たちが不幸になってしまうのなら反対されるのも理解できる。がしかし、同性婚が合法化されたことによって誰かが不利益を被ることはない。これまで同性であるがために結婚できなかった人たちが結婚できるようになる。幸せな家庭が増えるというただそれだけのことである。私はそこの価値観は変えても何も問題がないと思う。

価値観繋がりで、「同性婚を認めたら更なる多様性を認めさせようとしてくる」という意見についても考えていこう。この”更なる多様性”というのをもう少し具体的にしていきたい。私が見かけた意見では、近親婚や一夫多妻・多夫一婦・多夫多妻のようなポリアモリー的なものから、犬や猫との結婚あるいは対物性愛的なものも法律として認めなくてはならなくなるというのがあった。一つを認めてしまうと他の多様性も認めることが絶対的正義となることが懸念点としてあるのだろう。
私は同性婚のような多様性は必要だとは思うが、行き過ぎた多様性については否定的な立場である。もちろんそういう人達がいるというのは認めるべきではあるし、あくまで法律的に私は否定的であるということだ。
同性婚を認めた上で次のそういった多様性を求める声が挙がればその時はその都度議論し否定していけばよいだけの話だ。

次に「偽装結婚が増える」という意見について考えていきたい。
これについては私も増えるだろうと予測する。これは何にでも言えることだが新しい制度やビジネスが生まれた際、詐欺師や犯罪集団はそれを新たなビジネスチャンスとして入り込んでくるからだ。もちろん偽装結婚以外の犯罪も考えられる。なのでそういった犯罪には事前に厳しく対策を練って必要なら新しく取り締まるための法も作った上での同性婚法制化という流れになるのではないだろうか。

「少子化が進む」や「LGBTが増える」にという意見についてはそもそも異性愛者は異性と結婚し同性愛者は同性と結婚するだけなので少子化には影響は出ないし、同性婚を認めることによってシスヘテロ(いわゆるノンケ)が一転してLGBTQになるというわけではないのでLGBTQが増えるというのはないだろう。
それと、同性同士でも友情結婚や養育里親やドナーなどいくつか子供を授かれる方法はある。他にもあるのだがその話はまた機会があればにしたい。
このことから、過去に衆議院議員の杉田水脈氏のLGBT発言で、子供を作れないから生産性がないというのがあったがあれは明らかに間違えだ。
むしろ同性婚が認められている国では同性カップルがそういった方法で子どもを養育するようになり社会的な擁護が必要な子どもたちの受け皿として増えていると言われている。


以上のことから、私は同性婚法制化に何も問題はなく認めるべきだと思う。
勿論ここで紹介した反対派の意見は全てではなく他にも「子どものジェンダー感が~」などあったが結局の所突き詰めて考えていけば問題はないという結論に私は至る。同性婚が可能になり時が経ちそれが当たり前の社会になれば子どものジェンダー感が~というのはなくなるだろう。先に述べたようにネットやSNSの発達しているこの時代、今子どもたちはよりLGBTQなどの知識は入ってくるだろうし学校での教育で知ることも増えているだろう。むしろ今の私たち大人よりジェンダー感はしっかりしているのではないか。その子たちが大人になったとき、同性婚が認められていなかったら時代遅れだと感じるのではないだろうか。少しでも幸せな家庭が増えるような未来を私は後の世代に遺してやりたいと思う。


ここまで色々書きましたが、気持ち悪いから反対!これまでの伝統的な価値観だから反対!偽装結婚が増えるから反対!一つを認めると他も認めなくちゃいけないから反対!とただただ反対するのは思考停止のように思える。価値観などを大事にしていくことは素晴らしいことではあるが、変えるべきところは変え、議論すべきことはしっかりと議論を深めていかなくては何も前に進めないと思うのです。


”人間は考える葦(あし)である。人間は自然の中では葦のように弱い存在である。 しかし、人間は頭を使って考えることができる。 考える事こそ人間に与えられた偉大な力である”  ブレーズ・パスカル


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