見出し画像

LGBT法案で見えてくる保守派への違和感

昨今、保守派の中でLGBT理解増進法(以下LGBT法案)が騒がれている。
女性へのリスクが大きいなど、色々問題点としてあるからだ。
Twitterなどで色んな意見を目にするが、保守派の人たちの主張は論理的で建設的ではあるが違和感を覚えることも多々ある。
ここではLGBT法案ではなく、そこから見えてくる保守派の矛盾や違和感について考えていきたい。

まず先に言っておきたいのは、私は保守派の精神や考え方や主張が好きだということ。私自身愛国心はかなり強く、憲法9条改憲賛成・自衛隊の国防軍化・核武装賛成・靖国参拝賛成・スパイ防止法賛成・原発再稼働賛成・選択的夫婦別姓反対・対中国強硬政策・韓国を明確に敵国と認定し断交・女系天皇反対など挙げればキリがないが、傍から見ればごりごりの保守派だろう。(私自身は保守派と自認はしていないが)

そんな私の元へ、Twitterでごく稀にではあるがDMが届くことがある。内容は「お前みたいなLGBTのやつらが日本を破壊していくんだ。リベラルは出ていけ。」みたいな感じである。実際はもう少し強いニュアンスだったりするが大体こんな感じだ。
その人達のとこを見に行くと決まって保守やら愛国やらと書いている保守派の人間だ。彼らは私の過去ツイも見もせずにLGBTQと名乗っているだけでリベラル・左翼とレッテルを貼り攻撃してくるのだ。
私はSNSというのは投資などの情報収集や人間観察用のツールとして扱っているので攻撃されたからといって特に腹が立ったり精神的ダメージを負うということはない。

ただいくつかそこから見えてくるものがある。
彼らは普段「リベラル左翼はすぐレッテルを貼る」や「日本にLGBT差別は存在しない」などといった主張をしているがどうだろうか。言っていることと矛盾してはいないか。どう見ても私にDMを飛ばしてくる彼らの主張こそLGBTQへのレッテル貼りや差別だろう。
差別なんて存在しないんだという主張にははなはだ疑問が残る。私自身DM以外にも日常生活での差別は受けたことはある。
Twitterのそういった界隈では知らない人はいないであろう有名保守系のインフルエンサー達(本人たちはそう名乗ってないが)の主張を見てみるとなかなか酷いものがある。ここでいくつか、LGBT法案が話題になってからの彼らのその主張(引用リツイートも含む)を一部引用する。

「日本社会の一体どこに、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーに対する差別が存在してるんだよ。今すぐ立法で規制しなければいけない、深刻かつ構造的な差別がどこにあるんだよ。賛成している自民党議員、日本国の議員としてこれに答えてみろ。善人面したいだけの偽善者じゃないのか?」
「日本人がLGBT差別してんのか?ん?」
「知恵を絞ることが無駄、無意味。LGBTを差別する社会的構造のない日本で、何故そんなに固執するのか理解不能。大炎上??女性の安全を脅かしているのだから皆さんが批判するのは当たり前だ。「大炎上」なんて軽い言葉を使ってる時点で、事の重要さを理解していない証左。」

ほんの一部でしかないがこれを見てどうだろうか。普段は論理的で聡明な彼らだが私がこれを見て一番最初に抱いた印象としては、普段LGBT差別を受ける側にいない人間が「日本にLGBT差別なんてない」と言っているのは実に愚かしいことだと感じた。なぜそんなことが言えるのか少し理解に苦しむ。彼らが膨大な人数のLBGTQ当事者から差別を受けたことがあるかを聞いた上でのその主張なら理解はできるがそうではないだろう。
私も普段はこの保守系のインフルエンサーの方たちを応援してはいるがこれらの主張に対しては強く反対だ。
LGBTQ当事者の中で自殺者が多いのも事実だ。10代のLGBTQの内48%が自殺念慮、14%が自殺未遂を過去1年で経験という調査結果も出ている。それだけでも深刻な問題でもあるし今すぐ立法で規制しなければいけない理由にはならないだろうか。


私が保守的な考えを持っていながら保守という立場をとっていないのは、明確な立場をとってしまうと思考が完全に偏ってしまうのを防ぐためだ。それと個人的に人間観察が好きなのでこういった右だの左だのに属さず、1歩引いた視点から彼らの議論を観察しているのが楽しいという理由がある。とはいえただ観察しているだけでなく、やはり声を上げるべきとこは上げていかなくてはならないと思うので、今回のように違和感を感じたり思ったことがあれば私なりの主張をしていきたい。


ここからは余談だが、やはり政治というものには興味を持たなければならないと思う。自分自身政治だの経済だの一生関わることも勉強することもないだろうと思っていたが、社会人になるとそうはいかなかった。一番初めに政治に触れるきっかけになったのは投資(ちなみに為替)だった。為替をするにあたり独学で経済を学び、その途中で経済を理解するには政治にも興味を持たなくてはいけないのではと思ったからだ。
そしてそこからさらに思ったことがあった。LGBTQ当事者で世の中を変えたいと思うのなら当事者こそもっと政治に興味を持たなくてならないということだ。TwitterやYouTubeなどで声を上げる人はよく見るが政治について考えている人はあまり見かけない印象がある。政治の知識がなければ世の中を変えることはできないだろう。そういった政治の知識のない人たちは立憲民主党や日本共産党のような耳障りの良いことを言ってるだけの反日左翼政党を支持している傾向にあるように思う。そこは十分に気を付けるべきだ。彼らは自分たちの票を獲得したいがためにLGBTQをパフォーマンスとして扱っているだけだ。真に世の中を変えられるのは保守政党だけである。保守層の中にもLGBTQ当事者や理解を示すアライの方も一定数存在する。故に私は、そういった方たちと保守の中から声を上げるべきだと考える。
思想の自由は人それぞれあって然るべきだが、偏りすぎるのはよくないことを改めて言っておく。


”保守主義者が常に愚かであるとは限らないが、愚者の最たるものはきまって保守主義者である。”  ジョン・スチュアート・ミル

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?