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ダンスが上手くなるために、筋トレはするべきなのか

書き手:Sakurako


タンドリーチキンのような胸板や、紐で巻かれたヒレ肉のような腹筋の写真ーーーーー

海外のダンサーたちのインスタグラムは筋肉の宝箱である。


こんなに体鍛えて何が楽しいんだろうと冷ややかな目つきで見ていた反面、やっぱりトレーニングするとダンスが上手くなるのかな、という期待感もある。


アルゼンチンタンゴを始めて5年、
そして真剣に筋トレを始めたのが1年前。(もっと早く始めろよ)
そんな私が考え出した答えは




鍛える必要はない。
だけどトレーニングすることで身体感覚のセンサーはあがる、ということ。





体を鍛えるとき、人は必ず何かしらの目的があると思う。

ボディビルダーなら、より美しく人に魅せるための筋肉をつけるために鍛えるし、
短距離走の選手なら、より早く走るための瞬発力を身につけるために鍛える。


じゃあ、タンゴを踊るのに筋トレする目的は?と言われたら、ふたつのことが言える。


ひとつは、
ドレス(あるいはスーツ)を着たときにボディをより魅力的に見せるため。
もうひとつは、
身体の感覚センサーをより鋭くするため。


ひとつめについては、ぶっちゃけ美醜感覚は人それぞれなので、そんなに重要なことではない。
がっちりとした筋肉、ヒゲがモジャッと生えた人がタイプの人もいれば、中性的な顔、体つきがタイプの人もいるんだもの。以上。


肝心なのはふたつめだ。


リードは、踊りの中でさまざまなオーダーをフォロワーに送る。

「右足に体重を移動して」
「体重を土踏まずのあたりに乗せて」
「右足立ちで体を30度回転させて」
「後ろに足を伸ばして」
「上半身を45度右にねじって止まって」
etc.

これらの例えはほんっの一部の情報量で、複雑な動きが多くなればなるほど、スーパーコンピュータのような高性能な身体感覚センサーが必要になってくる。
ぶっちゃけ女性は、男性が上手いとある程度は踊れてしまう。
だけど、センサーがにぶいと、男性に「踊らされる」状態になってしまうのだ。

そこで筋トレの出番。
(ぶっちゃけヨガでもバレエでもピラティスでも何でもいいのだけれど、一番お手軽に始められるのはおうちトレーニングなので)



目的は動きの無駄をなくし、相手のリードを的確に処理する能力を手に入れること。
(このセンサーが始めから身についてて、かつ反応できるだけの融通のきく体を持ってたら筋トレは必要ない)


たとえば、ランニング。
走ってる時に考えてることは
「股関節・膝・足首は滑らかに動いているか」
「地面に足が着いたとき、足首のクッションは機能してるのか」
「地面に着地した瞬間の仙骨の向きは?」
だいたい、こんな感じ。
これはタンゴの体重移動、歩く動作をより滑らかにする。


たとえば、腹筋。
捻る動きをいれた腹筋をしながら
「腰・背中は緊張してないか?」
「筋肉を固めず、流動的に使えてるか?」
これはあらゆる動きの中で無駄な力を省くための練習。




あたまと身体のつながりがより滑らかになれば、身体はもっと自由に動かせる。
自由に動かせるということは、より複雑な動きにも対応できるということになる。


本当のところ、わたしは筋トレを始めてすごく楽に体を動かせるようになった。
たぶん、身体の感覚センサーの感度が上がってきてるのだ。


何事も、考え方ひとつで薬にもそれ以外にもなれる。
毒、とまではいかないけど、何が目的なのか、どうなればゴールなのかって考えるのがダイジなのです。

筋トレもヨガもバレエもなんもかんも、ね。

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