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4/18放送分【聞く鐘の音】

生涯学習の一環で土曜の朝に放送されている「ひょうごラジオカレッジ」の感想とボート競技をからめたエッセイをつづっています(詳細は自己紹介)。スタートして4年目。noteでも公開することにしました。過去分も随時アップ中。目録はこちら〔21年度〕〔20年度

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20/04/18 放送分
「日本人の心に響く梵鐘」
福井栄一 先生

寺院の鐘の音は時の知らせであったり、聞く者には諸行無常の響きであったり、また諸外国の教会では結婚式の祝いのベルでの綺羅びやかな音であったりもします。

我々ボートマンにとっての鐘の音は残念ながらそのような様々な情緒のある音の記憶ではなく、緊迫したレースでの嫌な危険警告音でした。

火事場の半鐘のような、カンカンと鳴る連続の警告音は、琵琶湖の波が多少荒れていたレガッタのスタートスパート直後でした。瞬間的にオールとオールが接触しそうになる寸前、主審のマイクからの甲高い警告と激しく連打する鐘が、即座のコース修正をうながしていました。コックスはこの緊迫状態でも艇を止めずに舵を切り、漕がせて切り抜けようとしたのです。ほんのかすかな瞬間的な接触で終わり、艇の間隔がコースセンターに戻るとレースは続行、そのまま差をつけゴールしたのでした。

この時の我々のコックスの強気の指示とオールとオールが瞬間的にかすかにぶつかりかけても漕ぎ続けた緊迫感は、進路修正を告げる鐘の音とともに記憶として残っています。

卒業してから海戦映画の艦隊同士の戦闘シーンで「敵艦前方あり」の叫び声と共に鳴り響く艦内の鐘の音を聞いた時、現役時代のこの警告音がふとあらためて蘇りハットしました。

講座の中にあった訥々として情緒ある鐘の音とは対極の甲高い声と鐘の音は記憶の底にある青春の閃光でした。

20/04/22
アストロケン

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