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[カターレ富山 1-3 FC岐阜]の試合を終えて(データ分析編)

データから試合を振り返る
[両チームのスタッツ]

上表はこの試合の主なスタッツを比較したものだ。
まずはシュート数。岐阜の6本に対して、富山は倍の12本のシュートを放った。何度も岐阜ゴールに迫り、その度に桐畑の好セーブがあった。クロス数、ペナルティエリア進入回数もともに富山が岐阜を上回っていることから、富山の攻撃がサイドからも中央からも仕掛けていたことがわかる。ただ、下図を見ると、富山は12本のシュートのうち、PA内からのシュートは5本。つまり、PA内は岐阜も守備を固めていたことが窺える。岐阜のゴールをより脅かしたシュートや富山の得点は多くがPA外からのミドルシュートやフリーキックからだった。

[両チームのシュートエリア]

攻撃回数も富山が122回、岐阜が112回と富山が上回ったが、ゴール期待値を比較すると、富山は0.83に対して、岐阜は0.591とそこまで大きく差が開いているわけではない。最後のところで岐阜が守りを固めたことと、岐阜がチャンスをしっかりモノにしたことが分かる。

[前半の15分ごとのボール支配率]

上図は15分ごとのボール支配率、シュート数、プレースタイルを表したものである。まずは前半を比較すると、前半は平均68.8%のボール支配率を記録するなど、岐阜が常にボールを支配した。ただ富山はボールを奪ってからサイド攻撃から岐阜の守備陣を引き付けたところから中央にパスを出し、シュートを放つスタイルで、平均31.2%のボール支配率ながら、5本のシュートを放った。 

[前半 ホットゾーン]

前半のホットゾーンを比較すると、岐阜の左サイド、そして富山の右サイドの色がとても濃く表れている。つまり、岐阜は左サイドを中心にボールを回し、富山はそこでの守備時間が長かったことと、奪ってから同サイドで人数をかけて攻撃を仕掛けたことで、前半はこのサイドで試合が展開された。ただ岐阜は最終ラインを使い逆サイドに展開して、右サイドの窪田も仕掛けたことで、右サイド高い位置も色がついている。 

[後半の15分ごとのボール支配率]

後半を比較すると、後半開始も岐阜がボールをより支配しながら、開始15分で2ゴールを決めて試合を優位に進めた。その後は2点を追う富山が逆にボールを動かしながら岐阜ゴールに迫った。後半の残り30分で富山はシュート7本。岐阜としては、富山の攻撃に対応しながらボールを奪ってカウンターの形を取ったが、理に攻撃を仕掛けることはしなかったので、後半残り30分はシュート0に終わった。この時間帯は富山にシュートを放たれ、こちらはシュートを打てない展開だったが、悲観的になる内容ではなかったと感じる。それは次図の後半のプレー割合を見ると、より感じる。

[後半 ホットゾーン]

後半のホットゾーンを見ると、富山の色が濃く出ている箇所は両サイドの高い位置だが、ゴール前はかなり色が薄い。つまり、ペナルティーエリア内での富山のプレー時間は制限できたことが分かる。確かに試合展開を見ると、このエリアからクロスボールを上げられる場面はあったが、今季の岐阜はハイボールへの対応は非常に安定していて、怖い存在である大野耀平も封じた。岐阜のプレーエリアは左サイドを中心に全体的にプレーしていた。 


カターレ富山戦の戦術分析は、こちら↓

次回は、松本山雅FC戦の試合前考察を配信します。


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