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つくし文具店の文具展、アシストオン神保町で開催中です!

国立駅から歩いて20分。住宅街の中学校前にある「つくし文具店」。

「つながる くらしと しごと」をテーマに、文具をきっかけにしてデザインと暮らしの関係を学び、考える、ちょっと変わった文具店です。

そして、つくし文具店から生まれたオリジナルの文具は、一見普通のように見えて、実際に使ってみると、なんだか心地よく、使うことが楽しくてクセになる。これまでの文具とは少し違う、持っている、使っていることが暮らしを豊かにしてくれる人気のアイテムばかりです。

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今回、アシストオン神保町店では、期間限定で店内の一角に「つくし文具店」の文具をすべて揃えた、小さなつくし文具店がオープンします。

そして、AssistOnのnoteでは、「つくし文具店」の二代目店主である、デザインディレクター萩原修さんの30年の活動を、90年代のデザイン史とあわせて知ることができるロングインタビューの記事を連載いたします。

※こちらのマガジンに随時更新していきますので、フォローしていただけると嬉しいです。


この記事では、つくし文具店二代目店主、萩原修さんに「つくし文具店」について、そしてご自身の活動基本でもある「つながる くらしと しごと」というテーマについて、教えていただきます。


つくし文具店とは

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つくし文具店は、JR中央線国立駅北口から歩いて20分ほど。静かな住宅街の国分寺第三中学校前にあるちいさな店です。 1964年頃から、ぼくのおふくろが、家のかたすみで細々と営み1990年頃まで約24年間続きました。「つくし」は、「筑紫」であり、おふくろの旧姓です。

ぼくもこどもの頃には、店番を手伝ったり、仕入れにつきあった記憶があります。母は、つくしのおばちゃんと呼ばれ、近所ではちょっとした有名人でした。当時は、中学生が寄り道する店であり、近所のこどもたちの遊び場であり おとなたちの井戸端会議の場所でした。

2004年6月3日、14年ほどお休みして物置になっていたスペースを 長男のぼくが会社を辞めたのを機会に、勝手にあと継ぎ、再オープンしました。リニューアルした店のテーマは、「つながる くらしと しごと」。大きな黒板のある約3坪のちいさな店内は、家でも会社でもない、大人が寄り道したくなるコミュニティスペースとして、全国から文具やデザインに関心のある人が集まり、学べる教室のような場所になっています。

つくし文具店のオリジナル文具のほか、知り合いのデザイナーのてがけた文具の販売、文具やデザインについてみんなで考える場、文具をテーマにした展覧会、ワークショップの開催など、できることから手がけています。 店の空間とグラフィック、そしてオリジナル文具のデザインは、ドリルデザインが手がけています。

2012年からは、「ちいさなデザイン教室」という試みをはじめて、この教室の生徒が日直として日替りで店番をしているという変わったシステムで運営しています。それぞれに、知っていることを持ち寄って情報交換したり、ここから新しい何かがはじまったりしています。 駅から歩くにはちょっとふべんな場所ですが、ふらりと遊びにきてくれるとうれしいです。(文:つくし文具店二代目店主)


つながる くらしと しごと

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「つながる くらしと しごと」は、つくし文具店のテーマとしてつくった言葉ですが、実は、ぼく自身の考え方や活動の基本でもあります。大学の頃に、「デザイナーにならない」と決めて、「デザインでできること」を模索しながら、さまざまなデザイナーと仕事をしてきました。そんな中で、いつも「デザインがもっと社会や暮らしに活かされるにはどうすればいいのか」を考えてきました。

「デザインは、人々の暮らしを豊かにする方法」だと信じているのですが、ともすると経済的な利益のためだけにモノをつくって売るためのデザインになりかねない状況に憤りを覚えています。「金儲けのためにいいと思えないものをつくったり」「売るためだけにいいと思えないものを良く見せて伝えたり」そんなことだけにデザインという方法が使われているとしたら悲しいです。

「くらし」は、「生活」であり「消費」、モノを「つかう」こと。
「しごと」は、「産業」であり「生産」、モノを「つくる」こと。

そう考えた時に、デザインの役割は、「つかう」と「つくる」の間にたって、「くらし」と「しごと」のいい関係をつくることではないかと思えたのです。

それぞれの「くらし」と、それぞれの「しごと」
どっちも大事にしながら、バランス良く生きていけるような社会になったらいいですね。(文:つくし文具店二代目店主)


つくし文具店二代目店主

萩原修さん

萩原 修
デザインディレクター / つくし文具店店主
武蔵野美術大学卒業。大日本印刷、リビングデザインセンターOZONEを経て独立。日用品、店、住宅、展覧会、書籍、雑誌、ウェブなどを企画・プロデュース。つくし文具店、コド・モノ・コト、がようしラボ、中央線デザインネットワーク、国分寺さんち、国立五天、マルヒノなど独自のプロジェクトを立ち上げ育てる。著書に「9坪の家」「デザインスタンス」など。株式会社シュウヘンカ共同代表。明星大学デザイン学部教授。

1961年生まれ。母の実家のある埼玉県児玉町で生まれ、数ヶ月は月島で育つ。両親が土地を求め家をつくり、現在のつくし文具店のある国分寺市に引っ越してくる。 みふじ幼稚園から桐朋小学校、中学校、高校と進み、 すいどーばた美術予備校で一浪し、自転車で通える距離にある武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科に入学。 小学校から剣道を習う。中学校は、剣道部。高校、大学はスキー部に所属し、勉強はできないが、身体を動かすことが好きな健康的な日々をおくる。

大学卒業後約10年間は、大日本印刷株式会社で、企業のカタログ、PR誌、カレンダーなどの印刷物を中心に企画・ディレクションをおこなう。1993年からリビングデザインセンターOZONEの立ち上げに参加し、在籍していた約10年間に、300以上のデザインに関連した展覧会を担当するとともに、ショールームや雑誌の立ち上げもおこなう。 2004年に独立してからは、日用品、住宅、店舗、展覧会、コンペ、書籍、雑誌、WEBサイトなどの 企画・プロデュースをてがけている。

また 「中央線デザインネットワーク」「国立本店」「西荻紙店」「てぬコレ」「コド・モノ・コト」「かみの工作所」 「テラダモケイ」「かみみの」「3120」「モノプリ」「ペプ」「旭川木工コミュニティキャンプ」「東京にしがわ大学」「クラフトセンタージャパン」などの活動にも参加している。
著書に「9坪の家」「オリジンズ」「デザインスタンス」「コドモのどうぐばこ」などがある。


オリジナルのつくし文具については、こちらの記事からご覧いただけます。


つくし文具がすべて揃う特別展示販売は、2020年10月8日〜27日(水曜日はお休み)まで、アシストオン神保町店で開催しています。皆様のご来店をお待ちしております。

アシストオン神保町店
営業時間:平日・土日祝 12時〜18時(水曜日はお休み)
電話番号:03-5577-2116
https://www.assiston.co.jp/tempo
アシストオン公式Facebook:https://www.facebook.com/assistondesign/

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