ADL〜日常生活動作〜について考えてみる 各動作編
前回はADLの基礎的な考え方をお伝えしました。
今回に関しては、各動作をそれぞれまとめたスライドを中心にお伝えいたします。
基礎的な考えとしては、
家の中で続けられて、安全に行えているか? って大切だなって思います。
1.食事動作の考え方
まずは環境を整えていくことが大切ですね!
食事するためのシーティング
食事への認知
食事動作するための環境設定
食事を楽しめるためにそれのための環境調整って第一に考えていくべきことですね。
こちらはシーティングでの考えですが、ほんと有名な図ですよね。
食事するためには「能動的な座位」を意識していく必要があります。
なので安静でうまく座れていても、食事になると多少変えていかなくてはいけないという気持ちも大切ですね。
食事は5感を使って食べていくという認識が必要です。
わたしが特に意識していたのが、「嗅覚」
やっぱり美味しいものを食べるときには、美味しそうな匂いってとても大切だなと感じています。
まずは匂いを嗅いでもらってから、食事を促すってこと行なっていました。
こちらは上肢機能なのですが、食事する際には
右手の機能と左手の機能での使い方が違います。どの動作にどのような可動域が必要なのかを分析されたものですね。
片麻痺の方の食事動作をどのように考えていくのかまとめたスライドです。
これは個人のセラピストとしての考え方になるかと思いますが、本人のニードを確認しつつ、上記のような考え方で行うことが多かったですね。
何を使うかはそれぞれの補助具での考え方にもよりますし、どうそれをセラピストが考えているかにも夜かなって思っています。
道具の使い分けもセラピストにとっては大切ですね!
以前、食事動作について質問されたものをまとめたスライドですね。
どのような道具使っても良いと思っています。
デバイスもものすごく便利になっていますし、「その方がどう表現したいか」に寄り添えるセラピストって素敵だなって思っています。
こちらは上肢へのアプローチの一例ですね。ご参考になれば
2.整容動作の考え方
整容動作について考えていきます。
整容・清拭動作に関しては、「道具の選定に頼ること」が結構重要かなって思っています。
もちろんリハビリテーションにて回復を促すことも必要ですが、
・どんな道具がどう使いやすいか?
などを考えていくことも重要な事柄かなって思っています。
私は病院時代の時には、ホームセンターや100円ショップ巡りが好きでした。アイディアを持って購入しにいくこともありましたが、ただ漠然と眺めていくことも多々ありました。
そうするなかで、これとこれを組み合わせるといいかもと、後日頭にふと思い浮かぶことがありました。
どんな道具が今あるのかを知っていくこと。この情報収集も必要な事柄ですね。
上記は3Dプリンターで自助具を作ろうの本になります。
無いものは作っていくという考え方って、作業療法士らしくていいですよね。
上記はなかなか面白い3Dプリンターでの使い方だなって思いました。
紐はそのままにして、ジョイント部分で対応するって形です。
アイディアも面白いですよね。
これは結構ありそうな商品ですが、ペットボトルを開けやすくするオープナーですね。
こちらは缶オープナーです。
固定するものとプルトップの開けやすさを意識したものですね。
アイディアを形にしやすい状況が揃ってきていますね。
3.更衣動作の考え方
次は更衣動作について記載いたします。
前回のnoteでも少しは記載しておきました。
上記は行為に必要な動作になりますね。
この動作ができると更衣動作のしやすさは向上すると思います。
服の感覚入力を意識していくことも大切な事柄かなって思っています。
皮膚入力を入れていくこと、きちんと着れているっていう認識も増すと思います。
4.トイレ動作の考え方
トイレ動作のポイントはスライドの4つですね。
あとは立位での必要な動き・骨盤をずらしたりの動きが必要ですね。
上記は、片麻痺の方を想定した内容ですが、トイレ下衣では
非麻痺側上肢のリーチング
立位時での重心の使い方
麻痺側の股関節の伸展
これがポイントですね。特に立位時での重心の使い方は必要です。
壁にもたれかかってもいいかと思います。
和式と洋式では、直腸の位置によって和式の方が排便しやすいとされています。
ただほぼ現在では和式はないために以下の工夫が必要ですね。
腹圧をかけていく際にも、足置きがあるだけでもすごく楽に出やすくなります。このようなことを知識で知っているだけでも、喜ばれることもあります。
あまり過度な厚みがあるのは難しいですが、少し座面を高くして立ちやすくする環境も検討の一つです。
5.入浴動作の考え方
入浴に関しては、まず「自宅の環境をきちんと聞いておく」ってことが大切と思います。
それに合わせたリハビリテーション・福祉用具の選定が必要ですね。
6.ADLで伝えたいこと
まずはその利用者さんの生活を知るってことが大切だなって思います。
そのためには情報をしっかりと収集する。
例でサザンのコンサートと書いていますが、現在の利用者さんでサザンが好きでそのためにどのような環境になると一緒に行けるかを検討しておりました。
自宅で大切なのは「生活の動線」ですね。
どのように生活をして、どう暮らしていく中で少しでもリスクなく生活できるかを検討も一つです。
以前は私もセラピストとして、「なんでもできる!」って思っていることがありました。
現在は、「出来ることを出来る関わりで行うこと。適切なタイミング・知識を持っておくこと」が大切かなって思います。
このnoteも皆様の一つの知識の引き出しに入ってもらえると嬉しいです!
最後までお読みくださいましてありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?