ぽん

珈琲を淹れたり文章を書いたり。歌うように話したいとりとめのないこと。

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珈琲を淹れたり文章を書いたり。歌うように話したいとりとめのないこと。

最近の記事

薄雲

朝、目が覚めて感情が動くことって少ないんだなと思う。 今朝は通知画面にわたしにとって残念な知らせが届いていて、悲しかった。「悲しい」の気分になるのは久しぶりのことに思えて、最近ちょっと感情の波形は小さかったことに気づく。ちょっと嬉しいことやちょっと悲しいことはあってもとびきりのやつはなかったもんな。 わたしは、しあわせで、運もそこそこよくて、良き友人に囲まれていると思う。でもたまに、どうしようもなくしゃがみ込んでしまう日がやってくる。 なんとなく水蒸気のようだ。楽しい時間に

    • 無題

      高校生の頃から手帳に自分の感情や明日の自分を励ます言葉を書きはじめた。 日記という丁寧なイメージより殴り書きである。手記であり、半分は祈り。 思っていることを書く、自分の目でその文字を見る。 もう一人のわたしと話をするように、自分の気持ちを理解したり認めたりする。 そうやって書くことは心の汚れを洗い流すひとつの儀式になった。 儀式と書くと堅苦しいけれど、そんなことは全くなくその根っこはきっとTiwtter(X)にある。 とても綺麗に言葉を紡ぐ人がいて、性別も名前も知らず、言

      • 占いの使い方

        最近、ちまちまと占いの勉強をしている。当たる、当たらないはさておき、幼い頃から占いの類は好きだったと思う。朝の情報番組の星座占いや初詣のおみくじを楽しみにしているような子どもだった。大きくなってからは、しいたけ占いに毎週元気をもらい、今年はVOGUEでの連載終了に落ち込み、復活に歓喜。あゝ忙しや。そんなわたしだけれど、実際に鑑定を受けた回数は少ない。それは、私の中で、 占いは進路を決めるタイミングである程度自分の答えを見つけていて、最後のひと押しをもらいにいく場所 という意識

        • こころとおかね

          お金がない。わたしの人生で常に頭の片隅にちらついている言葉だ。母譲りの貧乏性はわたしと一緒にすくすく育ってしまった。友達がコンビニで食べたいものを躊躇なくカゴに入れる時、お祭りの屋台を全力で楽しんでいる時、これが健全!いいな、羨ましいなと思う。そうして、心の隙間に冷たい風が吹く。節約する習慣が身についていて、良い面もあるのだけれど、わたしだって非日常を全力で楽しみたい。旅行に行っても、レストランでは食べたいものよりも金額が目に飛び込んでくることもしばしば、お土産だって我慢して

          あの子と話したいのは未来か過去か

          友人たちと過ごす休日はどれも楽しい。でもたまに今日は本当に行ってよかったなと思う日がある。そういう日のグッドな雑談を残しておきたい。 あー、わたしも今日は行ってよかった、また会いたいと思ってもらえる人になりたい。まだまだだけど。ディズニープリンセスみたいな歩くパワースポットになりたい。 今年の春、久しぶりに二人で会う友人に聞かれた。 「未来と過去、どっちのことを考えることが多い?」 わたしは答える。 「今で精一杯すぎて、あんまり何も考えてないかも」 「じゃあ、不安や悩みの種

          あの子と話したいのは未来か過去か

          ひとり深く潜る

          ここ数年同じことを何度も繰り返し考えている。最初から分かってはいたものの、あまりにも長い時間がかかるので、本当は考えてる“ふり“をしているだけじゃないかと思うこともある。そう、自分のことは自分が一番わからないという例のアレである。 ひとつ前の記事に就職活動のことをちらと書いたが、この時期からどうやって生きるか、どんな風にありたいか、そもそも自分ってどんな生き物だったけ、とぐるぐるしている。タロットで言えばハーミット。底の見えない海を下へと泳ぐように、あるいは地球の中心を見る

          ひとり深く潜る

          どうやって生きていくのかわからないけれど、わたしは

          挫折したことはありますか? 友人が就職試験の面接で聞かれたという。 わたしだったらなんて答えるだろう。 すぐに考えてみたけれど、幸か不幸かわたしには大した挫折経験などないなと思った。悲しいことや苦い経験はそれまでにもあったけれど、果たしてそれは挫折なのか。そもそも挫折に大小はないよ。心がうるさくなったので封じ込めてその場で考えるのはやめにした。 数年経って思う。わたしにとって就職活動はひとつの挫折経験かもしれない。 幼い頃からオフィスで働く想像が上手くできず、大学4年になっ

          どうやって生きていくのかわからないけれど、わたしは

          名前のはなし

          一人称が自分の名前の人に憧れた。わたしにはこそばゆくて、なかなか勇気が出ない。そんなわたしでも家族の前では、自分を指す言葉は当然名前しかなく、自然に一人称が変わるのだから不思議なもので。名前ってなんなんだろう。 振り返ってみると、新学期の自己紹介はいつも「言うことないな」と思っていたし、大人になった今でも初対面の人に名前を聞かれると、苗字だけか、下の名前か、それともフルネームかといちいち答え方に迷ってしまう。 記憶を遡って、名前にまつわることで うっ となった場所を探した。

          名前のはなし