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宇宙文学

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宇宙の詩、小説まとめ。
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#散文詩

僕達は何処迄も行ける

僕達は何処迄も行ける

九月の残暑に氷菓を頬張る僕達は小さな窓の内から不意に何処迄も行けることを知る、この足が縺れてもこの手が震えてもいつだって僕等は信じ切ることが出来る、美しい世界の陰と絶え間ないひかりにうたをうたう、手を叩いて先頭を行く僕で居よう、君も巻き込むよ、屹度ブラックホールを丁度抜けたところ、光の速度でこの道をゆかふよ

3,2,1

3,2,1

宇宙交信局、応答セヨ
[ツー…ガジン。]
僕等はクレーターの上歩き
学校へ行く
光の黒板、蟲の文字
交差する声、声、声…
(ねえねえ。)
(あの子が死んだって知っているかい?)
ペットのヤミヤミ連れて
花を摘んで宇宙遊泳
[ガウガウ!]
炭素になった花びら宙を舞いーーー。
ラヂオは放映する
君のこゝろの中迄も
マザーは総て知っていて
僕は空気の吸い方を知らない
(永遠の窒息。)
塔へ征くんだ!

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