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電動未来_003-日の丸の皮を被ったBYD

大阪万博では開催期間中の会場内の交通機関の一つとして、○○が275台の電気自動車を納入される。70台がタクシー、130台が遊覧用、残りはプレスカーなど業務用に使われる。

この記事を最近、お読みになった記憶があるだろうか。これは、2025年に大阪で開催が予定されている、日本国際博覧会のニュースのように…、見える。
会場及び会場周辺で、電気自動車を走らせる。地球環境について喧伝されている、現代の万国博覧会に相応しい、敢えて言えば、相応しいがいかにもな取り組みのようにも思える。
しかし、間違えてはいけない。
これは、日本で開催された前回の、つまり1970年の大阪万国博覧会について振り返った記事なのである( 2020年6月2日日本経済新聞)。

当時、300台近くのEVが、会場内の移動やホテルからの送迎のために作られた。手掛けたのはダイハツがで、電池はもちろん鉛電池だった。最高時速は15kmだが、実際には6km程度でゆっくりと走行していたようだ。

今回の万博についての記事は以下の通りである。

EVモーターズ・ジャパン(北九州市)は15日、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)で運行される電気自動車(EV)バス100台を大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)に納車すると発表した。小型コミュニティーバス車両35台(定員29人、車両販売価格2900万円)と大型路線バス車両65台(77人、4700万円)で、7月下旬から順次納車する。
2023年6月15日日本経済新聞

ここまでは、50年前と同じことをしてどうするんだ、程度の感想で住むのだが、問題はこの後である。

中国企業に車両の組み立てを委託し、完成車を輸入している。2023年秋には北九州市の響灘臨海部に自社の組み立て工場を完成させ、将来は年産1500台を目指す。

つまり、このEVは全て中国製だというとである。具体的には、テスラを凌ぐシェアを持つ、BYD製である。
日本が主催する万国博覧会でなぜ中国製のEVを走らせなければならないのか。中国の企業に数百億の金額を支払わなければならないのか。
EVで日本が遅れをとっているとすれば、日本の企業にこそ、たとえ金額が高くても発注すべきではなかったのか。
これに加え、最近、BYDのEVへのCEV補助金が日本製車両と同じ基準で支払われることが決まったことが報じられた。
米国も、欧州も、もちろん中国も、自国産のEVと他国産のEVは補助金で区別しているのに、である。

日本は、日本の産業ではなく、中国の産業を振興を優先しているかのようである。私はEV100%の時代が来るとは思わないし、EVにおいてもいずれ日本がシェアを取ることになると考えている。
しかし、日本の自動車産業を大事にするという真っ当な政策が蔑ろにされ続けるのであれば、その日は当分やってこないだろう。

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