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「社会人」に対する違和感

社会

  1.  人間の共同生活の総称。また、広く、人間の集団としての営みや組織的な営みをいう。「社会に奉仕する」「社会参加」「社会生活」「国際社会」「縦社会」

  2.  人々が生活している、現実の世の中。世間。「社会に重きをなす」「社会に適応する」「社会に出る」

  3.  ある共通項によってくくられ、他から区別される人々の集まり。また、仲間意識をもって、みずからを他と区別する人々の集まり。「学者の社会」「海外の日本人社会」「上流社会」

  4.  共同で生活する同種の動物の集まりを1になぞらえていう語。「ライオンの社会」

  5.  「社会科」の略。

以前は私は子どもたちに「社会人になったら・・・」「社会に出たら・・・」と話していましたが,違和感はつきまとっていたので,今回は社会という言葉を調べてみました.

上記のように,私たちを取り巻く環境すべては社会であることは理解できます.
しかし「社会人」となると以下のようにデジタル大辞泉では明記されます.

  1.  実社会で働いている人。学生・生徒などに対していう。「社会人になる」「社会人一年生」

  2.  社会の構成員としての個人。

これを読むと自分の違和感は以下のように表されます.
「社会」+「人」≠「社会人」

子どもも社会の構成員であることは間違いないのに,「社会人」は普段は1の「実社会で働いている人」を指すことが多いと感じています.

そこで以下のページを拝見しました.

「社会」という言葉は福沢諭吉がsociety / socialを訳した言葉が起源とも言われていますが,ここでは「会社」と「社会」が同一語源であることを窺い知ることができます.

社会=会社という図式から,社会人=会社人と理解すると納得ができます.
一方で,社会はsociety,会社はcompanyと訳出するとなると意味合いは異なるため,違和感が残る結果となるのだなと感じました.
ちなみにcompanyの語源はcom(ともに)+pan(パン)+y(名詞形成)であるため,「ともにパンを食べる者」です.

ここからは自分の考えですが,何を持って一人前と考えるのかに思いを巡らせると,働くことに視点を置いたとしても「社会に役立つことをしている」つまり社会貢献していることとは何かが疑問になります.税金を納めること,とするならば所得税や法人税など,なるほど確かに働くからこそ納める税かと考えられます.
税金は,もともと米などを年貢として幕府に納めていたのが由来で,「次からは米ではなく貨幣で納税せよ」というおふれから貨幣が流通したと言われています.そのため働くことで年貢を納める構図ができあがりました.

しかし,1989年より消費税3%が導入されたことで,子どもから老人まで「消費をしたら納める」という税金ができあがりました.
国に税を払うことが立派なことである(社会人である)とするならば,だれもがそれに該当することになるため,やはり社会人という言葉に違和感が生まれています.

子どもも大事な社会の構成員であり,働く働いていないではないことが浸透するとどのようなマインドの変化が訪れるのでしょうか.

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