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心を守る働き ー心理的防衛機制ー

 私たちは、普段、衣服を着て寒暖差や怪我などから身体を守っています。そして、危機に直面すると、無意識に身体が強張ったり弛緩したりして自分を守ろうという防衛反応が起こります。

それと同じように、心も傷つきそうになったり危機に直面すると、自分を守ろうとする防衛反応が働きます。それを心理的防衛機制といいます。

 心理的防衛機制は、精神分析で使われる概念ですが、人の思考や行動を理解するのにとても役に立ちます。

心理的防衛機制は、不安やストレスを軽減するための心の働きで、厳しい現実社会に適応したり、困難に打ち勝って生きていくための重要な役割を果たしています。

 実は、私たちの日々の生活の些細なことに対しても、心理的防衛機制が働いています。

例えば、ちょっと面倒くさいなという人との約束をうっかり忘れてしまうような時とか、欲しいブランド物と似たノーブランドものを持つという時にも働いているのです。

こうして、心理的防衛機制がいい感じで働いてくれると、精神的に安定して過ごすことができます。

ただし、防衛規制が働きすぎると、問題を先送りするだけで解決しないことがあります。

 防衛機制は、乳幼児の絶対的な依存から自立へ向かうプロセスで、4つのレベルに分かれています。

病理的防衛、未熟な防衛、神経症防衛、成熟した防衛との順でレベルが上がります。

 防衛機制の役割は、自分の内側の世界を抱えながら外の世界と関わり続けることです。そのための適応的な自分を作る方法を獲得していく中で身につけていきます。

もちろん、成人した人でも低いレベルの防衛機制を使うことはあります。

ただし未熟な防衛機制を使ってばかりいると、現実に適応するのが難しくなってしまいます。

 時には、問題から距離を置いて、しっかりと現実に向き合って、自分自身の考え方や行動を振り返ることも大切です。

そうする中で、新たな自分に出会うことができます。

心理的防衛機制の種類
否認・投影・投射・退行・取り入れ・代償・攻撃・固着・抑圧・反動形成・隔離・分離・打ち消し・解離・置き換え・合理化・知性化・頭皮・補償・昇華・同一視・同一化など


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