回覧板から、コミュニケーションを考える
島へ引っ越して、2ヶ月が経った。まだまだわからないことが多いが、地域の情報を知る際に何よりも役立っているのが、ご近所さんとのやりとりだ。お隣さんから週に一度まわってくる回覧板には、地域や近隣の小学校の情報が掲載されている。実は回覧板を実際に手に取って内容を読むのは、今回が初めての体験だった。
情報の共有なら、インターネットでよくない?
以前の私は、地域の情報を共有するのであればインターネットで良いのでは?と思っていた。行政や自治体のHPだってあるし、最近はSNSもある。物理的に情報を記載した書類を回すのは、簡単にいってしまうと非効率なのではないかと。
だが、自分が実際に回覧板をもらったり渡したりする立場になってみると、「受け渡し時にお隣さんと話しをするのが、意外と面白い」と感じるようになった。
「今度近所のイオンに新しいアイスクリーム屋さんができるらしいよ。私の学生時代の先輩がオーナーだから、ぜひ行ってみてね」
「4のつく日は、あそこのスーパーの特売日だよ。米を5キログラム買うと1キログラムおまけでついてくるからおすすめだよ」
こうしたちょっとした情報は、わざわざそれだけを伝えるために顔をあわせるのは憚られるが、ふとした会話のネタになるし、結構盛り上がる。何より私は最近この街に引越してきてばかりの身だから、地域の情報を教えてもらえるのはとてもありがたい。
実際に自身が経験していないと、物事の良さや悪さだけでなく、その価値の正体に気づけないなと実感した。
オフラインでつながる、温度のある人間関係
今は色々な人と、SNSで簡単につながれる時代だ。便利な世の中だからこそ、人と直接話しをしたり、人と付き合ったりすることがコストと捉えられてしまう側面があるように感じる。「往復2時間かかる打ち合わせだったら、オンラインでいいよね」というやりとりも多くなった。特に新型コロナウイルス感染症が拡大してからは、「なるべくオンラインで」という流れも強まっている。
だが個人的な感覚としては、同じ空間で直接対面で話しをしたり、一緒に作業をしたりすることでしか生まれない、温度のある人との関係が好きだ。
オンラインのコミュニケーションに関しては、下記の記事も興味深かった。
効率性を追い求め過ぎない。オンラインでばかりつながろうとしない。回覧板のやりとりからみえた、とても大切な発見だった。
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