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「アジアと芸術digital」 が始まります! 気鋭のノンフィクション作家・劉子超、ドキュメンタリー写真家・宍戸清孝の連載からスタート!


はじめに

 株式会社「鳳書院」(東京・千代田区)は、出版社として書籍を刊行しながら書店「ブックスオオトリ」の運営も行っています。

 2023年秋、書籍レーベル「アジアと芸術叢書」を新設します。先行して、同じテーマのWEB版として「アジアと芸術digital」(以下:A&A)をこの4月より運営する運びとなりました。

 タイトルのとおり、「アジア(日本含む)」と「芸術(広義の芸術として人文一般もカバーする)」に特化したレーベルです。まだ日本では広く知られていないアジア各国の作家やアーティストなどにご登場いただく予定です。


「アジアと芸術digital」掲載プラン

 4月のスタート時点では、下記の2つの連載と、「アジア」「芸術」に関するインタビュー記事・書評・展覧会評などの単発の記事を掲載する予定です。

〈連載〉
 ① 連載「地にちた衛星」劉子超りゅうしちょう(旅行記/河内滴訳)
 ② 連載「法華経の風景」宍戸清孝ししどきよたか菅井理恵すがいりえ(写真エッセー)

 各連載の詳細は以下をご覧ください。


連載「地に墜ちた衛星」劉子超

 劉子超さんは1984年、北京市生まれのノンフィクション作家。北京大学中文系を卒業後、雑誌編集者・記者を経て、2016年から作家・翻訳家として活動を始めます。

 単著に東欧旅行記『午夜降临前抵达(真夜中が訪れる前にたどり着く)』(2015 年/未邦訳)、インド・東南アジア旅行記『沿着季风的方向(モンスーンの吹く方へ)』(2018 年/未邦訳)などがあります。

劉子超さん

 今回、翻訳・連載を行うのは、そんな劉さんの最新作である中央アジア旅行記『失落的卫星(地に墜ちた衛星)』(2020年/未邦訳)です。同作は中国で豆瓣2020年ノンフィクション部門第1位に輝き、第6回単向街書店文学賞(年間青年作家部門)も受賞しました。

『失落的卫星(地に落ちた衛星)』

 中国にとって隣国であり、歴史的な結びつきが強い旧ソ連圏の中央アジア各国。ロシアによるウクライナ侵攻にも象徴されるように、旧ソ連圏は決して過去の遺物ではなく、現代の世界情勢にも影響を及ぼし続けています。

 そうしたソ連時代の記憶が色濃く残る中央アジアの各国を、「八〇後」世代の気鋭の中国人作家が、2010 年代の約 10 年間をかけて渡り歩きました。

 ノーベル文学賞を目指すキルギス人の若い作家、カザフスタンの核実験場を案内する軍人、枯渇するアラル海で孤独に働く中国人。著者は様々な人たちと出会う中で、大国の挙動に翻弄され続ける中央アジアの実情と、この地における中国の存在感の大きさを肌で知ります。

 周回軌道の中心にいたソ連という惑星を失った後の、中央アジアの今、そして未来とは——。ノンフィクションでありながら小説的なナラティブが光る、散文的な中国語の筆致の魅力が詰まった新しい〝旅行文学〟です。


連載「法華経の風景」宍戸清孝・菅井理恵

 宍戸清孝さんは1954年、宮城県生まれの写真家。アメリカでドキュメンタリーフォトを学び、帰国後の1986年に宍戸清孝写真事務所を設立しました。

宍戸清孝さん

 日系二世の元米兵の撮影をライフワークとし、2004年には同テーマの写真展「21世紀への帰還IV」で伊奈信男賞を受賞しています。

 2011年以降は東日本大震災の被災地も撮り続けてきました。著書には『Home 美しき故郷よ』(2012年/プレスアート)、『Japと呼ばれて』(2021年/論創社)などがあります。

『Japと呼ばれて』

 そんな宍戸さんには、仏教の経典のなかで〝諸経の王〟と呼ばれる法華経にまつわる写真エッセーを連載してもらいます。

 シルクロードを介し、朝鮮半島から日本にもたらされた仏教——。古代に観世音寺が創建された太宰府や、最澄が大乗戒壇を開いた比叡山、中世に日蓮が拠点とした鎌倉、近世に法華衆が力を持った京都や堺、近代になってからは宮沢賢治が暮らした花巻など、〝法華経にまつわる風景〟は日本各地に点在します。

 各時代・各地の法華経を通観すれば、これまであまり語られてこなかった日本の歴史の一部分を浮かび上がらせることができるかもしれない。連載「法華経の風景」は、そんな想像から企画されました。

 宍戸さんは、四半世紀以上にわたって日系二世の撮影を続けるなかで、感じてきたことがあると言います。レンズをじっと見つめる二世の目や、ピンと背筋が伸びたその佇まいから、彼らのなかに脈打つ〝日本〟がビシビシと伝わってきた――と。

 おもにアメリカで暮らす日系二世のなかに日本を見た写真家は、果たして法華経の風景からどんな日本を切り取るのでしょうか。
 エッセーは、宍戸さんとともに活動するライターの菅井理恵さんが執筆します。


更新は毎週月曜日

 以上のプランを4月から開始します。更新頻度は週に1度。毎週月曜日の更新を予定しています(月祝・正月は翌日以降に振り替えます)。

 連載「地に墜ちた衛星」は第1・第3月曜日、連載「法華経の風景」は第4月曜日、その他の記事は第2・第5月曜日の掲載となります。

 更新の告知などは、下記のTwitterアカウントでも行う予定です。本アカウントはもちろん、Twitterアカウントも同時にフォローしていただければ幸いです。

「アジア」と「芸術」に関心のある方々にご満足いただけるA&Aを目指して参りますので、何卒よろしくお願いいたします。

「アジアと芸術digital」 Twitterアカウント


 

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