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思い出の味

【写真で掌編小説】

「思い出の味」

初めて食べたキャンディクッキーはとても甘かった。

これまで、クッキーは少ししょっぱいものだと思っていた。

けれど、ステンドグラスのような透き通ったキャンディは甘く、クッキーのしょっぱさよりも勝っていた。

君が必死になって作ってくれたのは、今でも覚えている。

台所を占拠し、何人も立ち入らせないようにしていた。

初恋の相手に渡すのだという。

僕に回ってきたのは、おこぼれの試作品だった。

僕が笑顔で「美味しいよ」と伝えると、君も笑った。

今でも覚えている。

甘く、淡い、君が恋をした、思い出の味を。

終わり


写真から掌編小説でした!

三作目です!キャンディクッキーは見た目も可愛いですね!

素敵な写真をありがとうございました。

また、お会いできることを楽しみにしています♪


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