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「やさしさ」がつくるチームの関係性

「やさしい」ということが、風通しがよく、仕事がうまく進むチームをつくるコツなのではないか、と最近考えている。

私が考える「やさしい」とは、相手を尊重する意思がある関係性、ということ。
やさしさは、甘さではない。

相手を尊重することは、年齢、役職、経験、立場などに関わらず、フラットに相手の意見に耳を傾け、率直に意見を言い合える関係性のこと。

やさしさ、のよいことをいくつか挙げると・・・・
・現場でしか見えない事実を元に気づいた意見や疑問を、共有できる。
・疑問に感じたことを伝えられ、解決されることで、納得感をもって、仕事に向き合うことができる。
・他者の疑問や気づきから、新たなアイデアを得ることができる。
・意見を受けれてくれるというベースがあることで、メンバーの知識や経験が共有されやすく、チーム全体の能力が高まる。
・1人の僅かな違和感が共有されることで、トラブルを未然に防ぐことができる。
・自分が受け入れられている安心感から、集中して仕事に取り組みことができる。

やさしい、ということは、一見弱々しく、威厳がなく、リーダーシップがないように見えるかもしれない。

会社組織において、「あの人は優しすぎるからなあ・・・」というコメントは褒められていない場面も多い。たしかに、考え方に軸がなく、相手の意見に合わせて言うべきことが言えないようなやさしさでは、仕事はうまく進められないだろう。

しかし、自分の考えに軸があり、そのうえで、目の前の相手の意見をしなやかに受け入れるやさしさがある人が、今の時代には求められていると感じるのだ。

次々と新しい技術が生まれ、10年前のビジネスが衰退し、新しいビジネスが主力事業になっている。誰も経験したことがない新規事業では、過去の経験は役立たないことも多い。新入社員の3割くらいは離職し、転職者も増えている。女性、時短勤務者、リモートワーク者、異なるキャリアのバックボーンをもった人が共存する組織に変わり始めている。人材の多様性が高まれば、仕事のやり方、コミュニケーションの取り方、ワークライフバランスの加減など、価値観の多様性も自然と高まる。今は、価値観の多様性と共存しながら組織の運営する、戦略をとるほか選択肢はないんじゃないだろうか。

若手や他業種からの転職組からすると、役職が高い人の意見が正解とは思えないこともあるだろう。そこで、「経験が浅いのだから黙って、先輩のやり方を真似てろ」と言ってしまうと、優秀な人材は、自分の居場所が感じられず、組織の体質に失望し、離職してしまう原因になる。また本来の能力を発揮できず、組織の平均値に合わせたレベルの成果しか出そうとしないかもしれない。一方、既存の組織にとっても、新しい視点を獲得するチャンスや、プロジェクトが飛躍したり、業務が効率化できたりする、貴重な機会を逃してしまうことになる。

だから私は、相手を尊重する意思がある関係性=「やさしさ」がよい組織をつくると信じている。それぞれの価値観をもった意見が尊重され、多様な視点をもとに、オープンに議論ができる組織こそが、最強の組織だと。

この考え方を私の半径2mくらいの間柄の人たちから、広めるアクションを実践していきたいなあ、と思った、金曜日の夕方。週末はどんな本を読もうかなあ・・・


ーーあとがきーーーーーーーーーーーーーーー
なぜこんな話を書き始めたかというと・・・・。
昨日会社で、入社4年目の営業職の後輩Aさんが、一緒に仕事をしている技術職の入社2年目の後輩Bさんに対して、付き合いづらい、という話をしており、どうしたものかなあ・・・と思いを巡らせていたから。

Aさんは、地元での採用で、素直でコミュニケーション能力が高い。納得いかない出来事でも、まずは受け止める、という姿勢で、相手に寄り添って仕事を進める。

Bさんは、全国採用で、大学院卒の専門性の高い人材。論理的思考能力が高いが故に、根拠が曖昧な仕事の進め方に納得感が持てず、「そもそも」とゼロ思考で考える。

Aさんは、Bさんに対して、「納得できない顔をしているのに、聞き流している」ところが、やりづらい、と言っていた。理路整然と意見を主張する姿に、排他感、素直じゃなさを感じているようでもある。

Bさんに対しては、他の人から話を聞いていた。頭がよいのは分かるが、1つ1つの根拠に拘り、先輩になぜこうするのか?と質問するため、仕事が進まず困る、と言われていた。

両方の意見を聞いていないのでBさんの気持ちは分からないけれど、
「お互いに相手を尊重し、腹を割って意見を言ってみたらどう?」とアドバイスをしてみようと思う。

Bさんの納得感がいかない顔には、技術的な検討をしている中でしか気づきや課題が含まれているかもしれない。Aさんが方法を決めた理由には、Bさんが知らない事情が含まれており、きちんと話を聞けば、納得感をもって仕事を進められるかもしれない。また新しい視点を獲得でき、今後の仕事に応用できるかもしれない。

Bさんには、理路整然とした話し方は、論理的な面に苦手意識がある人の中には、見下されると感じる人もいる。尊重されていないと感じると、ささいだけれど必要なフォローが得られなかったり仕事がスムーズに進まないリスクがある、それは合理的でないから気をつけて、人も気持ちもビジネスの1要素だと。とも伝えてみよう。

そんなことを考えながら、このnoteを書いてみた。



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