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在宅勤務からの未来の働き方に向けて

コロナウィルスのために、さしたる準備もなく、強制的に在宅勤務が
始まった。今の所、不慣れな環境の中で効率が多少悪くなりつつも、
都度、ルールやツールや整備しながら、順応している最中だ。

私は、この強制的な働き方改革に、とても期待している。
いうならば、これまで強固で絶対的だった会社という
ゲームがリセットされ、新たなルールで再スタートを切っている、
というような気分を味わっている。

いくつか、新しい価値観での働き方がスタートするだろうと、
私が2020年4月26日時点の状況で考えていることを書いてみる。

1.空気を読む文化・忖度の衰退。世代間のフラット化

対面での打ち合わせが劇的に減り、電話会議やWEB会議に変わった。
電話会議やWEB会議では、当たり前だけど、空気なんて読めない。
役職者の顔色を読んで、自分の意見を引っ込めたり、曖昧な言い方で
濁したり、そんなことを上手くできる人が、重宝されてきた伝統的な日本の会社文化。雑談によりゴマをする機会も劇的に減っている。
忖度やゴマすりが悪いことばかりだとは言わないが、
人間関係づくりを強みとして、引き上げられた人にとっては、
この変化はマイナスに働くだろう。
逆に、若手や空気を読むことが苦手・苦痛な人にとってはチャンスだ。
遠隔での打ち合わせでは、「誰が言ったか」ということよりも、
「何を言ったか」が判断基準に
なり、よい提案が潰される確率が少なくなるだろう。
それは、対面の打ち合わせであった、役職者の席配置、グレードの高い椅子など、目に見える形での権威が、遠隔打ち合わせではなくなり、
フラットに意見を交わしやすい環境であるからではないだろうか。

2.仕事の本質を拠り所にした、本当の断捨離。

会社には、費用対効果は薄いけれど(メリットがゼロではない)、
過去に何かトラブルがあったから、偉い誰かが導入したから、という理由で
続いている、辞めたいけれど辞められない業務が多々ある。
例えば、システム上で決裁の承認は得るけれど、担当者には紙で業務の指示書を出すとルール。押印により役職者が確認したという証跡を残すルール。
紙やハンコは、全員が出社する環境でこそ成立するルール。在宅勤務になった瞬間に、この上なく厄介なルールとなる。
そもそも必要だったっけ?PDFや電子ハンコでよくないか?と、ルールは変わる。

出張に関しても同じように、30分の会議のための片道3時間の出張がいつまでも電話会議やWEB会議にできなかった。対面で会うからこそ物事が正確に伝えられるという幻想、遠隔会議を提案すると、業務を軽んじていると受け取られ、結果その後の業務が円滑に進まないリスクがあるから相手の納得感のためだけに丸1日を費やす、という無駄。遠隔会議であれば、拘束時間が短くなり、またどこにいても参加できるため、担当者間のスケジュールを合わせることが容易になるというメリットもある。

この数週間、いつまでも変わらなかった慣習が、あっという間に変わっている。結果、やってみたら案外悪くはなかった、ということは数多い。
無駄な業務を無くすことで、業務のスピードは早くなるし、利益率は上がる。例えば、毎回対面での打ち合わせを希望される場合の見積りと、80%が遠隔会議の場合の見積りを提示するというのも面白いかもしれない。
アフターコロナ後、生産性が大きく上がった企業も出てくるのではなかろうか。

3.本社と支店の関係性の変化。勤務地に依存しないプロジェクトチームづくり。

優秀な人が本社で戦略を立て、その戦略に支店は従い実務を遂行する、
というのが、現状の多くの企業での働き方だろう。
けれども、在宅勤務が日常になると、もはや勤務地と業務の関係性って、
絶対的だっけ?
という思いがふと浮かんでくる。
以前、一緒に仕事をしたデザイン会社では、勤務地に関係なく、そのプロジェクトに必要な人材を適切に組み合わせ、チームを組むそうだ。
だから、地方にいても東京や大阪の大きなプロジェクトに関わることができるし、大規模で比較的利益率が高いプロジェクトがあるからこそ、地域貢献などの小規模な利益率が高くない仕事も受けることができるだろう。

もちろん、チームの空気感や一体感は、プロジェクトを成功するうえでとても大切だとは感じている、同じ空間で同じ釜の飯を食べ、酒を酌み交わし、価値観を共にするという時間は一定期間は必要だろう。最初の2〜3ヶ月一緒に働く、または1〜2ヶ月のうち1週間は東京で働く、といったことで、ある程度はなんとかなるのではないだろうか。

勤務地に関係なく打ち合わせに参加できれば、本社と支店を兼務する、地域で若手を指導しつつも、本社で大きなプロジェクトも実施する、というような、働き方もできるのではないだろうか。そこには、面白い未来の働き方が待っているようでワクワクする。

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