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感心と感動の違い

感心と感動の違いについて考えたことはありますか?

ちょっと違う観点から、人が物を買う時の感情について考えてきましょう。人がその商品を買う時の感情として「感心して買う」のと「感動して買う」のでは、どちらが強い動機になるでしょうか?

結論としては「感動して買う」ことの方が強い動機となると思います。一般的に、感動と感心では人の心を揺さぶる力としては感動の方が大きいことは異論のないところでしょう。

とすれば、ビジネスを成功させるためには、相手を感動させるような商品やサービスを提供し続けないといけません。

では、どのような時に人は感動して、どのような時に感心するのかという話を今回はしていこうと思います。

どのようにすれば人に感動を与えられるかということを理解できれば、あなたのビジネスをが飛躍させるロケットの発射台のような力を発揮してくれるはずです。


子どもの学芸会において

先日、私の子供の学芸会を見に行きました。小学生の学芸会では1年生から6年生までがそれぞれ自分たちで一生懸命練習をして演劇を作り演じてくれます。

そこで、私が体験した話。私の子供の演技ではなく、初めてよその子の演技で私が「感動」する経験をしました。

コロナの中、どの学年も一生懸命練習をしてきたようで、1年生は1年生らしくかわいい演技をしてくれて、6年生は6年生らしく上手に演じていました。

やはり、演技力と言う意味では高学年だったり、比較的女の子の方が上手に演じている印象がありました。

はきはきセリフを言ったり、しぐさや目線、姿勢や立ち位置なども含め、小学生でもこんな演技ができるんだなーと「感心」する場面が要所要所にありました。

そんな中で、2年生の番が来ました。私の子供がいる学年ではないので私も油断して見ていたのです。おかしな海賊とかいう題名の演技だったのすが、その主役となる海賊のお頭(おかしら)役の男の子に、私は目を奪われ気が付くと涙が止まらなくなりました。

そう「感動」したのです。

なかなか文章で書くのは難しいのですが、この海賊のお頭は大きな声で海賊たちを鼓舞しながら、大好きなお菓子がたくさんある国を探して航海していきます。その子が表現した海賊のお頭は、大きなガラガラ声を出し、大きな剣を振り回し、大股で歩き回っています。時に威張り散らしながら、時に臆病な海賊でした。大きな声すぎて途中何を言っているのか聞き取れないような場面も何度かあり、演技力が高いかどうかという意味ではそうでもないのかもしれません。

途中までは私もこの子をどのように見たらいいのかわからず笑っていたのですが、ちょっと考えてみたのです。この子が表現しているのは何なのだろうって。

この子はきっと、自分が思う海賊のお頭を「海賊ってこうだろ!」って観客に問いかけているんじゃないかって思ったんです。

先生から、指導を受けた海賊じゃない。テレビや漫画で見た海賊そのものでもない。頭の中で、この物語に出てくる海賊のお頭だったらきっとこういう奴だろうって。声はきっとお酒を飲みすぎてガラガラだ。周りにきちんと伝えられる声じゃなくてもいい。オレがボスなんだからみんな必死に俺の声をを聞けって。そんなワンマンでもあり、でも時折憎めないことをするやつなんじゃないかって。

きっと先生は「もうちょっと声を落として聞いている人に聞こえやすくするともっといいよ」とか言ったんじゃないかな。でもきっとその時も自分の頭の中で「そうじゃないよ先生。この海賊はそんな普通の奴じゃないんだって」とか思ってたのかなとか想像すると微笑ましくないですか?


話を感動と関心の話に戻しましょう。

先生に教えられたとおりにはきはきときちんとセリフをしゃべり演じられる子には「感心」しました。いっぱい練習してきたのでしょう。それがとても表れていて「偉いなー」と感心したのです。

一方、私が「感動」した子は、おそらく台本に無いようなことまで自分で設定して表現していたような気がします。勝手な解釈かもですが、もともとある役を演じているのではなく、自分の頭の中にある海賊のお頭を世に発信していると言ったほうがいいかもしれません。

見ている私は彼が表現する海賊のお頭に「そうそう!きっとこの海賊のお頭はこういうやつだよね!」と共感してしまったのだと思います。


ビジネスにおける感動と感心の違い

演技と言う分野で感動と感心を比較するのであれば、うまい人の演技を真似て演技できれば上手な演技で感心してもらえる。

ですが人を感動させるほどの演技をするためには、うまい演技をするのではなく、何か人の心に突き刺さるような発信力、つまりは問いかけが必要なのではないかと感じました。

ビジネスにおいても同じことが言えると思います。

人の心を鷲掴みするような革新的なビジネスは総じて人を感動させてきました。

ニュータイプの時代(山口周)

何度も紹介してきましたが、上は2007年に日本国内で発売された携帯電話の面々です。各大手メーカーのマーケターたちが、過去の成功事例や統計により導き出された携帯電話の面々に対して、一切市場調査を行わないことで有名なアップル社より開発されたiPhone。

圧倒的なアップル社の「これからの携帯電話はこうだろ?」といった問いかけに人類は熱狂して感動したのでしたね。

一方、各大手メーカーたちのマーケターは「感心」したという評価しかもらえなかったわけです。過去の製品を上手に真似ているだけですから。

このようにビジネスの現場においても、これからのビジネスでは特に感動を追い求めるようなものが求められるようになっていきます。


再び、学芸会の話

再び海賊のお頭を表現した男の子の話に戻しましょう。

実はこの男の子。私の子供ではありませんが私の子供の友達です。聞くと普段は結構わんぱくで、学校の先生に呼び出されることもちらほら。

学校というところは「人と同じことが正しいこと」を教える場です。先生もそれが仕事であって、それを私も否定するところではありません。

ですが、社会に出ると上司はみな口々に「人と同じではダメだ。イエスマンになるな。ユニークさが大事だ」と学校と逆のことを言ってくる。

この矛盾について誰も教えてはくれません。

演技が上手な子供もいい。勉強ができる子供も偉い。かけっこが一番ならカッコいい。

でも、学校の授業だけが世の中じゃない。むしろ世の中には授業で教わっていないことの方が多く、そして重要だったりもする。

その男の子が高学年になり、中学生になり、大人になっても、今の感性をどうか失わないでほしいなと切に思いました。

最後にちょっとだけ告知

そんなことを近いうちに小説にして出したいなと実は思っていて、現在原稿を推敲中なのです。。


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