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きらいが苦手なこと

きらい、という言葉が苦手です。

小学校のとき、毎朝一緒に登校している子がいました。

彼女のおうちに遊びに行ったり、彼女が田舎のおばあちゃんの家に行くたびにお土産をもらったり、なかよく楽しく過ごしていました。

ある日、彼女の部屋に行ったとき、床にメモ紙が落ちていて何も考えずに拾いました。
何人かの名前が書いてあって、私の名前がいちばん最初にありました。

その〝リスト”のタイトル(名前の上に書いてあった)が

きらいな人

私がびっくりして固まっていたら、彼女はメモ紙をくしゃっとして

うそうそうそ!

と笑って、その後、私達は何事もなかったように遊びました。

そのことがあってからも、私達の関係は変わらなかったし、中学は別々になったのだけど、道で会えばあいさつを交わしたり、何ひとつ気まずいことはありませんでした。

たかがこんな事なのに、私はそのことをずっと憶えていて、今もメモ紙の私の名前(彼女の筆跡)が目に焼き付いています。
こんなに鮮明に憶えていることが、ときどきすごく嫌になります。


◇◇◇◇◇◇

子どもが生まれてから、この言葉は出来るだけ日常生活で使いたくないな、というのがありました。

きらい

です。

でも、すき か きらいか を子どもに選択してもらう場面には数えきれないほど遭遇するし、私以外の人はバンバン使うし(使っていいと思います)単に私だけがこころのなかで苦手なのです。

苦手

私は、「きらい」の代わりに「苦手」をよく使っています。

○○は生のトマトが苦手なんだね。うん、お母さんもそうなんだ。
でもピザの上にのっかっていたり、スープになっていたりするのはお母さんだいすきなんだよ。
このアニメ、お母さんはちょっと苦手だな。どうしても観たい?そうかー。

幼稚園、小学校と彼らの世界が広がっていき、私との会話で彼らの方から「きらい」が出てくるようになりました。

「ごめん、お母さん、きらいって言葉が苦手なんだ。だからお母さんと話すときは苦手って言ってくれるかな」

うんわかった、二人ともすぐ言い換えてくれます。
きら…あっ、に、苦手なんだけど……。
やさしい子達です。

◇◇◇◇◇◇

こんなに毛嫌いしていた言葉を、大切な子ども達に感情的に使ってしまうことがありました。
ふたりの勉強をみている時です。

我が家は勉強系習い事を何もしないで、今まできました。
今もしていません。

就学前に、数字やひらがなを教えたり、公園で拾ってきたどんぐりを使ってたし算やひき算をやってみました。

小学校が始まると、毎日の宿題のほかに、予習復習や「お母さんとの勉強」をほんの少し、家でしました。
しました、というほど立派なものではなく、本当に本当にさらりとです。
授業で困らないように、授業についていけますように。
我が家は中学受験を考えなかったので、学校の授業がリアルタイムでわかっているかの確認や、単元が終わるごとにあるカラーテスト対策や復習がメインでした。

算数が好きではない兄、国語に苦手意識がつよい弟。

私は教えることが好きなので、もっとうまくやれると思っていました。
うまくやれる日とやれない日の差が激し過ぎました。
子ども達と自分との温度差にもやもやしました。
涙がとまらくて、部屋にこもり声をあげて泣いたりもしました。


ママ友や親族に子どもとの自宅学習の難しさを話すと

「だから(   )に入れちゃえばいいのよ」

と言われたりして、こころがぐるぐるしました。
(   )には勉強系習い事や学習塾の名前が入ります。
私じゃだめなのかな。
私のやり方が厳しすぎるのかな。
漢字の書き順とか、0か6か紛らわしく書かないでとか、うるさいです。
でももう少し、がんばってみたいのです。
この前の春休みの最中、お母さん、がんばってみてもいいかな?とふたりに話しました。
うん、いいよ。お母さんと一緒にやるよ。
やさしい子達です。


◇◇◇◇◇◇

春から長男は中学生になりました。
毎朝制服のボタンに苦戦し、大きな黒いリュックを背負って登校しています。

担任の先生がオレらと同じ、今年からこの中学校に来たからさ、どこに何室があるかぜんぜんわかんなくて、オレらと一緒に迷うんだよね。
話が長いけど面白い。先生に習う数学なら、オレがんばれそうな気がする。
社会、やっぱ超面白いわ。オレ、やっぱ社会がいちばん好きだわー。
体育やべー。スクワットとか何十回もやらされんの。みんなが疲れてくると「青春ー!」って言うんだわ、体育の先生が。マジでやべー。超筋肉痛。


次男は4年生になり、なかよしの子達とはクラスが離れてしまいました。

ぼく、今あんまりしゃべる人がいないの。休み時間?『銭天堂』読んでるの。図書室で借りたやつ。お母さん、今度『銭天堂』買ってほしい。
担任の先生ね、3年のときの算数の先生だし、言葉が面白いからさ、みんな笑っちゃうの。「あかんなー」ってみんな真似して言うの。「先生、あかんなー」って。あと先生、高速あっちむいてほい、するの。
忘れ物すると、こちょこちょの刑だって。ぼく、まだされたことない。
ああ、習字やだなー。習字って何年生までやるの?


この先、長男は学習塾に行くことを視野に入れています。
そのうえで家庭での学習も続けていきたいと思います。
勉強がきらい
には、出来るだけならないようにしたいです。
苦手、……ならまだいいか (;^_^A


へなちょこな私のお助けであり、くじけそうなこころを支えてくれているマガジン。かすみさん、みほさん、ありがとうございます。

もし、ご家庭でのお子さんとの学習に息が詰まりそうになったら、ぜひこちらを一度のぞいてみてほしいです。
コメント欄にも、たくさんのヒントが詰まっています✨


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※見出し画像は、7年前小学校に行く練習をした時の長男です。
ランドセルには教科書代わりに絵本をいっぱい詰めていきました。





















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