【本要約】地頭力を鍛える
思考力を鍛えて、柔軟な発想ができるようになりたいですよね。
でも実際のところ、それをどうやってやればいいかは不明です。
本記事では、具体的にどう考えれば「地頭力」が上がるのかをまとめている本を紹介します。
地頭力とは?
頭の良さには3種類あります。「物知り」「機転が利く」「地頭がいい」の3つです。
例えると、以下のようになります。
物知り→クイズ王
機転が利く→コメディアン、司会者
地頭がいい→数学者、プロ棋士
本書ではこのうち「地頭がいい」について深掘りしています。
「地頭力」とは「考える力」のことです。
そして、地頭力にはベースがあります。それは以下です。
これらを鍛えることで、「地頭力」は向上します。では、どうすれば鍛えられるのでしょうか?
それは「フェルミ推定」という方法を使います。
フェルミ推定とは?
原子力の父といわれる物理学者の、エンリコ・フェルミは、ちぎった紙で核爆弾の爆発力を推定したといいます。
例えば、「日本全国に電柱は何本あるか?」という質問をされたら、あなたはどう考えますか?
フェルミ推定では、こういった荒唐無稽なことについて、何らかの方法で答えを導き出す方法のことです。
ではフェルミ推定を使って、先程の質問の答えを導き出していきましょう。
①アプローチ設定
まずは、どう考えるのかを設定します。(全体から考える)
本設定では、以下のように考えてみます。
②モデル分解
以下の二つに分解して考えます。(単純に考える)
市街地と郊外それぞれの単位面積あたりの本数
総面積
③計算実行
仮説を立てて、以下のように考えます。(結論から考える)
次に日本の面積と市街郊外の比率を導き出します。
これらの条件で計算すると、3000万本と算出できます。
④現実性検証
NTTが電柱の日本の電柱の本数を公開しています。
この答えは3300万本となっており、フェルミ推定での算出方法がいい線をいっていることがわかります。
ここでお気づきの方もいるかもしれませんが、先程説明した、「結論から考える」「全体から考える」「単純に考える」というフェルミ推定のベースの思考を使っていることになります。
次から、ベースの思考をそれぞれ具体的にみていきます。
結論から考える
結論から考える、ということは「仮説思考」のことです。仮説思考のポイントは、以下の3つです。
①どんなに少ない情報でも仮説を構築する姿勢
②前提条件を設定して先に進む力
③時間を決めてとにかく結論を出す
単純に説明すると仮説思考は、「逆算して考えること」です。目的から、相手から、終わりから考えてみます。
仮説を立てる→実践して試行錯誤する
という手順で仮説の精度を高めていきます。
全体から考える
全体から考える、ということは「フレームワーク思考」のことです。フレームワーク思考のポイントは、以下の5つです。
①全体→部分への視点移動
②切断の「切り口」の選択
③分類
④因数分解
⑤ボトルネック思考
つまり、フレームワーク思考は「全体俯瞰力」と「分解力」にわけられます。
全体から適切に分解し、部分まで問題を深掘りして、それが実際に問題となっている部分にアプローチする必要があります。
単純に考える
単純に考える、ということは「抽象化思考力」のことです。抽象化思考のポイントは以下の3つです。
①モデル化
②枝葉の切り捨て
③アナロジー(類推)
モデル化は、図解で考えることで鍛えていきます。図解化は問題解決であれなんであれ、対象を簡略化することです。
そして、本質とは関係ない部分を切り捨てることも重要になってきます。
アナロジーは、本質的に類似した事象を参考にした問題解決の発想方法です。人間と犬は本質的には「哺乳類」であり、「生物」なので同じですね。
地頭力まとめ
以上のように、地頭力は「結論から」「全体から」「単純に」考えるということがベースになっています。
それぞれ、仮説、フレームワーク、抽象化をすることで地頭力を鍛えることができます。
本書ではフェルミ推定以外の地頭力を鍛えるツールが紹介されています。紹介すると、エレベーターテストというものがあります。
例えば、管理者のあなたが、社長から何かプロジェクトを任されていたとします。ある日社長とエレベーターの中で遭遇し、「プロジェクトの状況はどう?」と聞かれました。説明できるのはエレベーターで一緒にいる時間だけです。
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