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【本要約】経済成長を理解して世の中の先を読む!「経済成長の起源」

「世の中のこれからを先読みしたい」そんなこと考えていませんか?
これから起こることがわかれば、事前に準備ができるかもしれません。

こんにちは、けいごです。

日本は衣、食、住に困らないし、普通に働いて普通に生活することが出来ますよね。しかしなぜ、日本をはじめとする先進国は発展するのに、いまだ貧しい国が存在するのでしょうか?

本記事では、「経済成長」の仕組みを理解するための本を紹介していきます。
これからのことを知るには、歴史を学ぶのが一番です!


経済成長とは何なのか?

まず本書における、経済成長の定義を以下にまとめます。

社会と生産構造の劇的な再編成

この定義だとわかりにくいので、例を紹介します。

先進国とそれ以外の国では、経済構造が異なっています。
1800年以前の社会では、世界人口の大半は地方で暮らし、農業に従事していました。しかし現在、先進国では農業に従事する労働人口が少ないです。例えばアメリカでは1.3%、イギリスでは1%です。

このように、製造業やサービス業などの非農業部門の成長をともないながら、根本的に再編成されていく経済のことを「経済発展」と読んでいます。

成長=再編成

ということになりますね。

経済成長の要因は様々

経済成長の要因は様々です。
例えばイギリスでは、石炭が重要な役割を果たしましたが、中東では宗教。中国と日本の成長要因も異なるように、それぞれ引き金は異なります。

一方でアフリカでは、地形が経済成長を妨げているともいわれています。地形が険しければ移動が難しく、耕作に向きません。しかしネイサン・ナンとディエゴ・プーガの説では、この地形がアフリカの奴隷貿易の被害を和らげることが出来たことを明らかにしています。よって険しち地形という要素が、プラスに働く側面もあるということになります。

このように、国によって経済が発展する要因は様々です。本書では、これを以下の要素でまとめています。

地理、政治、制度、市場、国家、文化、人的資本、人口動態、植民地政策

次項から、地理、制度、文化のみ抜粋して、それぞれまとめていきます。

地理

ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」という本では、経済繁栄の要因として地理が重要な鍵を握っているとまとめられています。

世界地図でいうところの横軸では、気候や地形が移動しやすいため、「物や知識の伝播が容易であった」という見解です。

しかし本書では、この見解だと「経済発展の逆転」の説明がつかないとしています。
例えば、中東地域では1000年にわたって西ヨーロッパよりも発展してきましたが、西暦1800年頃には西ヨーロッパが大差をつけて発展していきます。

つまり地理的要因だけでは、経済成長の起源を説明できないということになります。そこには、石炭などの資源や制度などの要因もあります。

このように地理的条件は、他の経済成長の要因(制度、文化、人口など)になんらかのかたちで関与していたということが言えます。

制度

経済成長をする上では、政治制度が重要です。
それは、現代で先進国と言われている国を見ればわかります。独裁政権のもとでは、法制度も役立たず、個人の活動が制限されています。

法制度が整っている国では、独裁者の裁量が存在しないため、個人の活動が活発となり経済が成長するということです。

そこで重要となってくるのは、「財産権」です。
財産権を保障することで、個人が投資をして、そこから利益を得ることが出来ます。

財産権の保障がどれほどの投資意欲を掻き立てるのか。これについて中世後期に重要な役割を果たしていた装置(水車、風車など)への投資は、財産権の保障が担保されている時にしか保障はされなかったという研究があります。

しかしながら、どのようにすれば財産権などの法制度が整うのか、という点が重要になってきます。
そこで基盤となるのが、「文化」です。

文化

経済成長の文化的要因として考えられるのが「個人主義」です。

その理由は、個人主義文化では、革新者は高い社会的地位が得られることにあります。

経済学者のユーリー・ゴロドニチェンコらの研究から、個人主義を重んじる社会はそうでない社会に比べて、労働者一人当たりの所得が非常に高いことがわかっています。

中国のような、儒教的な一族の「支え合い」がある文化では、信用できない相手との取引をする思想が生まれにくい点にあります。

個人主義の文化では、家族単位の「支え合い」を穴埋めするように「金融市場」が発展していきます。

これらの要素や条件がわかれば

ここまで、本書で紹介されている様々な経済成長の要素をまとめてみました。

これらの要素や条件がわかれば、経済成長の要因が分析出来るかもしれません。

すると「世の中のこれから」も自ずと見えてきて、先読み思考の精度が上がります。
いずれにせよ、イギリスや日本をはじめとする先進国では、その国の条件や要素が様々に作用して発展をもたらしています。もちろん、そこには共通点があることも確かです。

本書では、本記事で紹介した要素以外にもまとめているので、「世の中のこれから」を知りたい方は読書必須です。


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