過去の嫌な記憶を俯瞰する

 ASDを抱えていると、過去の記憶にとらわれる「タイムスリップ現象」が起こりやすいです。これは視覚的記憶が強いため、単に覚えているというものではなく、よりリアルに映像として、その時、誰が何といったのか、その時の情景や表情、その時の不快な感情もセットで覚えているという厄介な記憶です。そしてそれはあたかもその時に戻ったようにタイムスリップします。

 さらにその記憶は正確ではなく、より悪い形に変換されがちです。第三者が思い違いだと指摘しても、納得することは難しく、訂正することは困難です。

 このタイムスリップ現象は、今現在の僕にも起こることで、昔の嫌な記憶が反芻してしまいます。
 ふとした時に、昔の黒歴史を思い出してしまうことがあるので、正直厄介なところがあります。

 しかし、この黒歴史にいつまでも囚われているのも不毛であると思っています。そんな中、「反応しない練習」という書籍から、いつまでもトラウマに囚われることから脱却するヒントを得ましたので、その一節をご紹介しようと思います。

「よく気づいて、反応しない」ことです。「これは記憶にすぎない。幻にすぎない」と、はっきり口に出して念じます。「記憶、記憶、記憶(にすぎない)」と、気付きに言葉(ラベリング)を繰り返して、その反応から抜け出そうと努力します。

 このアプローチの仕方は、精神科領域でも注目されている「いま、ここ」に焦点を当てる、マインドフルネス的な考え方と一致しているなと思います。

 これを意識しながら、今の僕は「今思い出している記憶は、今現在起きているのか、過去の亡霊に囚われていないか」と意識し、「今はどうなのか」を言葉にするようにしています。

 上記を意識し実践すると、ふと過去の嫌な記憶を思い出しても、その記憶に囚われて時間を消費することは減ってきたと感じています。

 もし、過去の記憶を思い出して苦しむことが多い方は、是非実践してみてはいかがでしょうか。

 今回の記事は以上となります。嫌な記憶とは距離を置き、客観的に俯瞰することで、みなさんの生活がよりよくなることを願いながら、筆を置かせていただきます。
 最後まで読んで頂きありがとうございます。また、お会いしましょう(^^♪


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