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敵認定・味方認定・他人認定・無償の愛

アスペルガー症候群の花です。

本日はアスペルガー症候群が見せる本能的な態度「敵認定」について。
(私が勝手に言っているだけで医学的・科学的な理論は存じません)

アスペルガー症候群・自閉症の人間は脳の挙動により恐怖、不安が大きく
いつでも無条件に不安に飲まれているような状態です。
そしてそれによって自己を守ろうとする本能が強い。

相手が自分を傷つけると本能的に感じれば、自己防衛に入り
相手を威嚇したり攻撃的になったり、暴力を働いたりパニックを起こしたりする。
自己防衛に入れば相手の痛い言葉には耳をかさない。

周りにいる定型発達の人間はその時
敵対的に扱われている
敵視されている
何も聞き入れてもらえない
と感じるといい、
ある人はその状態を

アスペルガー症候群に『敵認定』された」と表現しました。

敵認定というのは定型発達側からも、発達障害側からもどうにもしっくりくる言葉で、敵認定と言えばすぐに理解できる言葉の一つになりましたが

定型発達の方からは
一度敵認定が脳内のプログラムに組み込まれると、その解除はできないのですか?」という質問ももらいました。

アスペルガー症候群の脳はシステムのようにできていると感じています。
指摘をされたり、理屈もない説教を受けたりして
理解できないことが積み重なりパニックを起こし鬱になりしばらく泣き叫んでいたあとにすーっと静かになり、プログラム更新が行われる。

二度とこの発言をしない

この人に近づかない

もちろん肯定的な内容の場合もあります。
何が起こっているのかわからなかったパニックから冷静に、合理的に熟考し、その先にはプログラム更新が待っている。

この場合は、このように対応する。

そして人が変わったかのように過去のことを忘れ、未練もなく
新しいプログラムを起動します。

アスペルガー症候群の考えは遅く、深いと思っています。
すぐにその場で考え対応することはできない、しかし一度考えさせたら底なし沼のように考えがおよび、それを外から見て理解することはほぼ不可能。
考えて考えて、合理的に辻褄があったとき、それがプログラムとして脳内に実装される。しかしそこに合理性がなければ

自分の利益のために人に意見を押し付けている人間だ」と相手を判断し、敵認定するかもしれません。


敵認定の解除は、基本的に可能です。
一般的な敵認定は本能的に感じ取っているものであり、プログラムに書き込まれていない場合もあるからです。

私の個人的な場合の話をすると、私は否定的な話、否定的な反応をする人たちを人生から排除するプログラムを組んでいます。
(人それぞれ敵認定をする水準、きっかけは異なると思います。
例えば「悪口をいう人」「悪事を働く人」なども該当すると思います)

相手の返しが「でも…」「そうじゃなくて…」ばかりだったり、
私をまず否定してから自分の話をしたり、己を褒めて相手(私)をけなしたり、合理的ではない話ばかりしたり
そういったことを繰り返した場合、私は相手を本能的に敵認定し
まずはよきところでふらっといなくなり、音信不通になります。

これで私がこの人から逃れられたらそれ以上の害はどちらにも及びません。
しかし、相手がそれでもなお連絡をしてきて自慢をしてきて私を卑下してきて…ということが繰り返されるようであれば

プログラム上に実装される「敵認定

あるいは
その場で爆発を起こすパニックなどに繋がることがあると思います。

一度プログラム上に実装された「敵認定」は、解除されません。
どうしても情のある相手(実の肉親など)であればふと、愛情が湧くこともあるでしょうが、基本的にアスペルガー側の挙動は「敵認定」です。

少しでも何か間違った発言をすればパニックだし
基本的に相手を威嚇していて、相手を脅威として見ている状態。
これはもちろん、相手が自分を傷つける対象だと認定しているからです。


最近見つけたこの絵が最もうまくこの状況を描写していると思うので、共有します。

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私の脳には二つのモードがある。
『サバイバルモード』と『セーフモード』。
私の脳が『サバイバルモード』になると、
私はあなたのことを聞き入れないんだ。何も学べなくなってしまう。
『サバイバルモード』が長く続くと、敵対的で攻撃的な私が私の性格なのかと周りからは思われてしまう。

私が攻撃的になっていたら私が『サバイバルモード』を発動しているだけなのだと、そんな性格なわけではないのだとわかってほしい。
私は安心して学びたいし、大丈夫なのだと感じたい。


サバイバルモード という言葉を用いたのはとてもわかりやすいと思いました。アスペルガー症候群が攻撃的になるのは、生きるため。
自分を守るため、自己防衛のために突然切り替わってしまうのだと。
元からおっとりしていてゆっくり話す脳の機転も速くはないアスペルガー症候群が突然獣のように攻撃してくるのは、生きるためなのだと
生命力の強さを感じています。


敵認定というのは、アスペルガー症候群本人ではなく、周りからみて怖いし、迷惑な機能だと思います。

アスペルガー症候群のオンオフが激しいことも有名なことかと思いますがこれを「内モード」「外モード」という人もいるそうです。
他人に接するときのオン状態では、アスペルガー症候群は物腰柔らかで、尊重をもって話をするとても魅力的な人と映ることが多いと思います。
それがオフ状態(自閉状態)に変わったとき、突然人間が変わったかのように話さなくなり、一人で篭るようになる。
これに手がつけられなくなる人もいるし、ここで「カサンドラ現象」が発生することがある。

結婚するまでは明るくて聡明な人だったのに、何故結婚したら口も聞いてくれないし一緒にいてもくれないの?

さて、本当の心の叫びはわからないですが、このオンオフの切り替えに周りはついてこれないこともあるようです。

私は、オンオフを双極性障害を使って行なっています。
オンが躁状態、オフが鬱状態です。
オンにしなければ鬱にもなりません。
つまり鬱を避けるには常に自閉していることが必要です。

躁状態というのは四面楚歌な状態の時に主に発揮します。
例えばたくさんの人がいる場所、たくさんの社交的な人がいる職場、大勢の集まりやら、私は行かないですが飲み会など
躁状態でなければ乗り越えられない、周りは敵だらけの場面です。

これをしてしまうと私は圧倒的な鬱に陥り
数日感は少なくとも立ち上がれなくなります。
四面楚歌な状態というのは、周りが全員敵認定された人間だというわけではなく
誰がどこから私を傷つけてくるかわからない、常時不安に浸っている戦闘状態である時のことです。

全く知らない他人であっても、相手が圧倒的に仕事ができるビジネス家だったりすれば

この人はビジネスに精通しているから相手を傷つけるようなことは言わないはずだ、尊敬をもって話ができるかもしれない」と少し敵認定を解除します。なので躁状態も上限を超えることなく、後々の鬱も軽く済むことがあります。

敵認定をするかしないかは
尊重・尊敬をもって対話ができる相手であるかどうかでも決まるものと思っています。


と、いうのも、「敵認定」とは別に、「他人認定」という感覚もあります。
アスペルガー症候群はもとより自己防衛力、自立心が高い完璧主義者な傾向が高いように思います。
その私たちが誰かと出会った時、「完全依存」など突然しない限り(しないと思います)、相手からは大きく距離をとって接することになると思います。

相手が私にある程度迷惑をかけてきても、遅れてきても財布をなくしても
自分に大きな損害がない限りは「仕方ないなぁ」と笑って過ごしたり、自分に損害がない程度に助けることがあると思います。

自分の人命に被害がないとわかっている相手、相手に何が起ころうと私の責任にはならない、相手に何が起ころうと相手は相手、自分は自分と完全に割り切れる相手こそ、「他人認定」をされる相手です。
「他人」に対しては尊重をもって接し、距離は近づけない。一度会ったら2時間までしか一緒には過ごさないと決めたら、会話の途中でも2時間で切り上げる。プライベートには踏み込まない、他愛もない話しかしない
そんな「他人認定」している相手が一定数いて、「他人」は自分を傷つけないと見込んでいる、敵認定されていない相手なので、真面目な話や人格論、人生論などに踏み込まない限りは「他人」として、尊重を受け続けることになると思います。


最後に、「味方認定と無償の愛」

味方認定と聞くと、とても良い扱いを受けるのかと感じますが、まるで逆だと私は感じています。
私は、自分に厳しく他人に甘い人間です。
自分には完璧を求め、難関であろうとどれだけの苦行でも、それができないことで自分を激しく戒めます。
その代わり、他人には何も期待せず、少しでも何かしてくれたら大いに褒める。多いに評価する。これが「他人認定」された相手との関係性です。

そこで、例えば「私たちは親友だよね」なんて言って私に近づき
私のスキルやポテンシャルを利用して、一緒にプロジェクトをしようなんて言ってくる人がたまにいます。

アスペルガー症候群には「役に立ちたい」「社会に奉仕したい」気が強いものですから、役に立てると思えば、乗ることも多いです。

しかしここで自分(アスペルガー本人)とグルとして扱われることで、その提案してきた人間が「味方認定」、あるいは「仲間認定」をされることがあります。言い方をきつくすれば「本人認定」ということでもいいでしょう。

自分に常に厳しくしてきているように、あなたのことも同等に厳しく扱う」と相手を見てしまう状態です。

相手への期待値は自分への期待値と同等に跳ね上がり、相手から完璧を求めるようになり、相手は疲弊して逃げていき、ここでまた逃げ方によっては私からの「敵認定」が起こります。

この味方認定だとか本人認定、こちらの概念を実際に発揮した実例はあまりないので、呼び名も決まってはいませんが

一度私と契約したらスパルタさせてもらう」といったところでしょうか。
自分に求めるのと同等の完璧な努力を求めてしまいます。


これとは別に「無償の愛」を抱く相手がいます。
私は一人で生きている気が強い人間ですから、自立心が強く、自閉していることが多い。しかしそれだけでは社会でやっていけないことも多いのです。

友達もできない、学校でも社会でもどこで何をしたら良いのかわからない、外に出れば混乱状態になる私を、助けてくれた人

この人への恩は一生忘れない脳に刻まれる定義になります。
私に話しかけてみんなの輪に入れてくれて、私が社会で機能するようにしてくれた人
私に仕事を与えて毎日育ててくれた人
私に愛情を教えてくれた人…

一度助けられた経験は死ぬまで消えないものとなり、絶対に崩れない無償の愛を刻んで、その人に何かあれば全力で立ち向かう相手になります。

私には無償の愛は一人、
味方認定をしたのは過去には一人(現在0人)
敵認定・他人認定は多数います。


私の書くこの理論は決して医学的、科学的に正しかったり証明されたものではなく、私が勝手に自分の脳内を探って思ったことを書き綴っています。
自閉症の方でも「あるある」と思う人もいれば「その感覚はないな〜」と思う方もいるでしょう。
自閉症は千差万別で、各々異なるので「自閉症なのに間違ってる!」とも私は思いませんが、どこかしら共通している部分もあるものと思っています。

私はこんなにnoteでは筆達者ですが、現実世界ではほとんど話さないし、責められたり指摘されたら何日も一人で考え込んで部屋から出てこないほど自閉して口を閉ざす人間です。
無論その代わり、熟考の末にはこのような記事がたくさんあがってくることでしょう。

さて、今日もどなたかの役に立てればと思っています。共感などしていただけるようでしたら、コメントを頂けますと幸いです。

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