AscoFlan(アート思考)

アートを愛するアラフォー☆ 水彩、踊り、料理とお酒のペアリングなどをアートの視点で取り…

AscoFlan(アート思考)

アートを愛するアラフォー☆ 水彩、踊り、料理とお酒のペアリングなどをアートの視点で取り組んでいます。 趣味は読書とヨガなども。自分を癒すのが得意で色々やってます。

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アートに生きる。〜無から有へ〜

今年も昨年に続き『アートに生きる。』年としたい。そして今年は”無から有へ”をサブテーマにする。 昨年アートに取り組む中でふつふつと湧いてきたサブテーマだ。アートとはまさに無から有を生み出す作業なのだが。さらにフォーカスして物事に取り組みたい。 まず『農業』。豊かな土づくりをし、種を撒いて水と肥料をやり、枝葉を選別し、虫と共生しながら農作物を収穫する自然循環型の農業。これぞ究極の”無から有”。 日本で手に入る農作物で”有機栽培”、”無農薬”、”無化学肥料”の農作物は全体の

    • アートに生きる。〜2020年を振返り〜

      昨年2021年は、年初に掲げた目標”アートに生きる。”を当初の思惑よりずっと上手く進めることができた。 一つ目の目標『絵を描く』。表現をしやすくするために当初の色鉛筆から水彩画に変更して、約70枚の絵を描いた。 初めは”陰影のつけ方”や”白色の塗り方”、”枠線の引き方”がわからなかったが徐々に自分なりにそれらのやり方を見つけた。そして思いがけない大きな変化があった。 ”何かを見るときの意識”が変わった。 これまでいかに自分の思い込みで物を見ていなかったか。木は茶色、葉

      • ノンフィクション連続小説第13話 『妖怪の棲む家』

        非常に怖いことなのだが、私は大人になって随分と時が経つまで善悪の区別がつけられなかった。 「こういうことをしちゃだめ。」「人に迷惑がかかるから。」というような言葉がきちんと胸の内に入らなかった。 本当に些細なことから大きなことまで、”なんでもあり” だと思っていた。 若い頃の私のことを人が見たら、ワイルドでかっこいいと思う人もいたと思う。ただ、私は、かっこつけているわけでもなんでもなかった。 やりたいことを好きなときにやっていただけ。 それが少し(と信じたい‥)非常

        • ノンフィクション連続小説第12話 『妖怪の棲む家』

          私は、母方の祖父母の家に行くのが大好きだった。 明るくて、家の中は真っ白に輝いていた。保母をしていて活発で優しい祖母と、読書と勉強が大好きな穏やかで優しい祖父が迎えてくれた。 私達が遊びに行く日には、祖母はいつも"まぜごはん”をこしらえていてくれた。それはおひつに入っていて、干し椎茸、人参、味のついた大根が入っていて上に卵を細く切ったものがたくさんのっている。 私はそれが大好物で、「おかわり!」と5回は大声を出して、祖母を笑かしていた。 祖母の作る、きんぴらごぼうも大

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        アートに生きる。〜無から有へ〜

          ノンフィクション連続小説第11話 『妖怪の棲む家』

          ゾンビの爺さんは、週に3回以上も透析に行かなければ生きていられない。送り迎えは、父。父は車好きで当時まだ30歳過ぎだったが車を3台所有していた。高級国産車、高級外車2台。 車を傷つけないようにと神経質なので乗り心地が悪かった。ドアを開けるときぶつけないよう気をつけろ、靴が椅子にあたらないようにしろ、お菓子はぜったいに食べるな、という具合に常にうるさかった。 常用している国産車でゾンビ爺さんの送迎をする。私も時々助手席に乗せられて行った。 総合病院の前に停まって透析が終わ

          ノンフィクション連続小説第11話 『妖怪の棲む家』

          ノンフィクション連続小説第10話 『妖怪の棲む家』

          ゾンビ歩きの爺さんの晩年は強烈だった。 数百万円もする買い物を電話1本で繰り返す。高級布団、高級チェア、バーカウンター(誰も飲まないのに!)、グランドピアノ、それらを置くために家に部屋を増やす工事など…。 「また買ったのか!」「もう何やってるの本当に!」「いい加減にして!」 ヒステリックな祖母と父の悲鳴と怒鳴り声が常に響いていた。 ソンビ爺さんは、いつも変わらず黙って狸寝入りをしていた。この家のお金は使い果たしてしまえ、というようだった。ここにある家のお金を大事にして

          ノンフィクション連続小説第10話 『妖怪の棲む家』

          ノンフィクション連続小説第⑨話 『妖怪の棲む家』

          のちにこの旧家は建て壊し、私達ファミリーの住む新居となる。そこに25年も暮らすことになるのだが、何しろ土地の雰囲気とオーラが悪い。ここに引っ越してからは家族のギクシャクは相当なものとなった。それはまた後に書く。 旧家では、開かずの間(第8話に記載)の奥には廊下が続きボットン便所があるのだがその周辺は、だだっ広い『朽ち果てた中庭』だ。 ある人が実は白骨だったというホラー話。綺麗な庭に見えていたものは実は白骨の落ちているボッロボロの庭という設定がぴったり庭。昼間でも陰気な雰囲

          ノンフィクション連続小説第⑨話 『妖怪の棲む家』

          ノンフィクション連続小説第⑧話 『妖怪の棲む家』

          春の暖かい日だった。私はいつも通り小学校から帰って着替えを済ませ母と旧家に着いた。母は玄関を掃いた後、台所で調理に取りかかる。 私は一階の、今はもう使われていない囲炉裏のある和室を通りぬけ奥の和室をさらに抜け、フスマの前に立った。 『開かずの間』だ。ここはいつもぴたりとフスマが閉められていて、その奥がどうなっているのかと気になっていた。 こんな春の日差しが暖かい日には、新たな挑戦ができそうだった。 「フスマの奥は、外かな?よし見てみよう!」 「...........

          ノンフィクション連続小説第⑧話 『妖怪の棲む家』

          ノンフィクション連続小説第⑦話 『妖怪の棲む家』

          初めて夜あの旧家に行った。1月の寒くて暗い夜だった。家のガスが突然調子が悪くなってしまいお風呂に入れなくなったのだ。私たちは母に連れられて旧家のお風呂を借りに行くことになった。 あの恐い家に夜訪れるのは初めてだ。しかも一人で入るお風呂...入れるかな。 案の定、怯えてしまった。 ここのお風呂は台所から通路を歩いた、家の一番奥にある。 縦に長くて広いお風呂場だ。中に入ると洗い場があり、奥に大きな岩風呂がある。真っ黒なごつごつした岩でできている。掛け流しのように壁について

          ノンフィクション連続小説第⑦話 『妖怪の棲む家』

          ノンフィクション連続小説第⑥話 『妖怪の棲む家』

          今日は2階のまだ行っていない廊下、下り坂の廊下を進んでみようと決めていた。旧家に着くとゾンビの爺さんがいた。 「牛乳飲むかい?」 「いらない。」 「コーヒー牛乳飲むかい?」 「飲む。」 震えの止まらない手で冷蔵庫を開けてコーヒー牛乳の瓶を渡してくれた。 この冷蔵庫の中を見るのは嫌いなのだけど。牛乳の瓶だらけだから。みんなコーヒー牛乳しか飲まないくせに、毎朝牛乳とコーヒー牛乳の瓶が2本ずつ玄関の専用箱に届く。牛乳やめればいいのに。もったいないお化けが出るよ。 私は

          ノンフィクション連続小説第⑥話 『妖怪の棲む家』

          ノンフィクション連続小説第⑤話 『妖怪の棲む家』

          その日も、旧家にやって来た。母と買ってきたわらび餅を1階のピアノのある部屋できょろきょろと落ち着かないままに一人で食べた。 頭上を見上げてみる。ハエを取るテープ紙が何本も吊るしてありハエがいっぱいくっついている。天井にはカラフルなミラーボールが吊るしてある。だから誰の趣味なんだ。全然楽しくない。カオスだ。 わらび餅を食べ終え台所に行き母にトレイを渡した。今日もまた探検の続きだ。 2階へあがり廊下を抜けて父の昔の部屋を通り過ぎると、廊下は下り坂がしばらく続く。よくもこんな

          ノンフィクション連続小説第⑤話 『妖怪の棲む家』

          ノンフィクション連続小説第④話 『妖怪の棲む家』

          私はその小さな屋根裏部屋を出て、廊下を進んだ。テレビの置いてある剥製だらけの不気味な和室の横を通り過ぎると、奥に部屋の扉が見えてきた。ゆっくりと開いてみる。 緑色のカーペットの洋間だ。ボードゲームや人生ゲームやおもちゃとおもちゃの箱だらけ。隅に学習机があった。ここは父の昔いた部屋だとすぐにわかった。電気をつけると蛍光灯が光る。 部屋を見渡していると、奥の壁が全面厚い擦りガラスになっていることに気づいた。引き戸の取手がついている。向こう側は、外なのだろうか。 私はおもちゃ

          ノンフィクション連続小説第④話 『妖怪の棲む家』

          ノンフィクション連続小説第③話 『妖怪の棲む家』

          その家の中はまるで迷路だった。変人がおもしろおかしく作った家とでも言おうか。途中で増改築した痕跡がそこらここらにあり、家の中は水平ではない。平衡感覚と、まともな精神が傷つきそうな家。 その日も母と二人で旧家に行き、私はぶらぶらと一人で家の中を探検することにした。じっとしているといやな気配を感じて怖いから何かしている方が気が紛れる。 一人で二階へ行き、階段を上がってすぐの扉を初めて開けた。静かに電気をつけてみる。 屋根裏部屋だ。天井が低くてとても狭い。日の光がほとんど入ら

          ノンフィクション連続小説第③話 『妖怪の棲む家』

          ノンフィクション連続小説第②話 『妖怪の棲む家』

          「さぁ、行くわよ。靴を履いてね。」 母と二人で毎日行く旧家。ここには父方の祖父母が二人で住んでいる。 ここに来ると母は、晩ご飯を作り置きし、ほうきで玄関先を掃いたり、庭の手入れなどを行う。 私は一人で家の中をぶらぶらしている。 異様な空気を感じて落ち着かない。 見られているような気がする。何者かがいるような気配がする。ここで見る祖父母は、顔が歪み奇妙な声でお化けのように見える。 「テレビでも見ておいて。」 母にそう言われて一人で2階の和室でテレビを見ている。「時

          ノンフィクション連続小説第②話 『妖怪の棲む家』

          ノンフィクション連続小説第①話 『妖怪の棲む家』

          「あなたの家には井戸があるんですか?」 「はい‥。古井戸がありまして、1995年にあった阪神大震災の時に地盤隆起して井戸が埋まりましたが。」 「その井戸は昔よく使っていたのですか?」 「そうだと思います。その昔、近所のお子さんや犬が落ちて亡くなったと聞いています。」 「近所のお子さんがですか‥。なかなか複雑ですね。」 「はい‥。この家は近所では浮いている、孤立した存在です。何もかもが他の家とはちがうので‥。」 「他に、変わったところはありますか?」 「家ですか?

          ノンフィクション連続小説第①話 『妖怪の棲む家』

          【時を止める。】

          自分の中に時間という概念はなくなった。 以前は”時間”という概念が好きで拘っていたつもりだ。時間を大切に、有効に使いたいと考えていた。それがふとした事から、考えが変わった。 時間はあって、ないようなものなんじゃないの。 こんな些細な日常から気づいた。 ①楽しい時間週に一回ダンスをしている3時間が楽しい。待ち遠しくて、いざ始まるとあっという間に終わる。この時間が永遠に続いてほしいと思う。 →ダンスをしている3時間の物理時間が体感時間にしたらどうだろう。それすら考えないが

          【時を止める。】