ノンフィクション連続小説第⑨話 『妖怪の棲む家』
のちにこの旧家は建て壊し、私達ファミリーの住む新居となる。そこに25年も暮らすことになるのだが、何しろ土地の雰囲気とオーラが悪い。ここに引っ越してからは家族のギクシャクは相当なものとなった。それはまた後に書く。
旧家では、開かずの間(第8話に記載)の奥には廊下が続きボットン便所があるのだがその周辺は、だだっ広い『朽ち果てた中庭』だ。
ある人が実は白骨だったというホラー話。綺麗な庭に見えていたものは実は白骨の落ちているボッロボロの庭という設定がぴったり庭。昼間でも陰気な雰囲気が漂いおどろおどろしく直視できなかった。
外から中庭は見えない。この旧家には2mほどもある外壁が張り巡らされていて、外からは何もわからないのだ。
まさか、開かずの間に加えてボットン便所まで後の自分の部屋になるとは思いもよらなかった。
この旧家に出入りする人は変わった人も多かった。
幼少期の事故で片足付随の、父の妹。目の見えない、祖父の妹。運転中に片腕をなくしてしまったお付きの運転手。祖母の弟とデキてしまい出禁となったお手伝いさん。この二人は後に結婚し勘当状態。
父の妹については、なぜ足を引きずっているの?と父に尋ねたことがあるが、「二度とその質問をするな!」と怒鳴られた。理由がわからないので何度か尋ねたがその度に激怒された。
いつもピリピリしていて、不信感ばかりの家だった。
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第9話はここまで。次の展開もご期待ください。
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